白烏 ２

【 賭け事はお好き 】 ページ5

《 及川side 》



病院から戻ってきてみれば、セットカウント1-1でまさかの最終セットにもつれ込んでるじゃん

トビオが居るからまぁ少しは手こずるのかな？って予想してたけど、これは予想以上だ。



聞けば変な速攻使って来て、主将がまぁまぁなレシーブをして、坊主君がパワーファイター、眼鏡君のタッパも織り込んで…

なんとまぁアンバランスで、不出来なチーム




それに翻弄されて1-1か…うん、納得したけど13番を、狙っていけば簡単に崩れるんじゃないかな？


けど岩ちゃんやマッキー、松つんがそれに気付かない訳が無い。
現にスパイクもサーブも全部13番狙いだ





入「………アップは？」


及「バッチリです！」




意外と粘ってるみたいだけど、その下手くそなレシーブで俺のサーブを取るなんて無理だよ









ーー…なーんて余裕綽々にかましてたあの時の俺に言ってやりたい









トンデモナイ奴だよ





白髪に赤目、13番…思い出したよ、トビオが孤独の王様になった中総体決勝戦で出てた奴





“ 忌み数ちゃん ”





突飛してる様に見えない。でもスパイクは拾われる、ブロック飛んでもひらりと躱される。物静かで何考えてんのか分かんなくて、不気味


終いにはユニホームの番号が13番なんだもん。そりゃ忌み数なんて異名付けられちゃうわけだよ







今日再度実感したよ。君は不気味で不吉だ






及「第二セット全部かけて俺達にフェイクを入れるなんて、随分と大きな賭けに出たんだね？」







赤い目と視線が絡む








………








頬をかいて少し困った顔をする彼。それも演技なのかい？
自慢じゃないけど、俺は相手の顔色や仕草でウソかホントか見極めるのが上手い。







けど、分かんないよ、君のことは





顔に出にくいタイプなら国見ちゃんで慣れてるけど、君はそれ以上だ。




まるで今俺が見てる君も、試合中の君も全部本物みたい







及「…大会までもう時間はない。どうするのか楽しみにしてるね」





本当は本性暴きたいけど、早く帰んなきゃ岩ちゃんにどやされるし、今日はここまで

って思ってたら後ろから服を引っ張られ、振り返れば真っ赤な瞳とかち合った









貴「必ず貴方達は引っ掛かってくれる…賭けは俺の勝ちですね」







ニヤッと口角を上げそのまま去った彼









及「……面白いね。もっともっと教えてよ、君の事」








博奕…賭けたモノは貴方の心

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