白烏 ２

【 リベロのプライド 】 ページ9

《 日向side 》



日「…あの、西谷さん」


西「？」


日「 “ 旭さん ” って誰ですか？」


田「！不用意にその名を出すなっ」




西谷さんが来てからずっと気になってた事。あ、確かに永田の事も気になってるけど！…それとはまた全然違う感じ



西「……烏野の…エースだ。一応(・・)な」


日「エース…！」




やっぱり…居るんだエース…

背中からゾクゾクッて何かが走り抜ける感覚。ワクワクもドキドキもする




西「？なんだよ」


日「…………俺…エースになりたいんです…！」


西「あ？」


日「何年か前の “ 春高 ” のエースの “ 小さな巨人 ” 見てから絶対ああいう風になるって思って、烏野来ました！」


西「その身長でエース？」





……っ…でも小さな巨人だってあの身長でエースになったんだ。憧れたんだ。物凄く。

なりたいって。あんな風に…馬鹿にされても、否定されても俺は…





西「いいなお前！だよな！カッコいいからやりてぇんだよな！いいぞいいぞなれなれ！エースなれ！」


日「！？」


西「今のエースより断然頼もしいじゃねーか！」




た、頼もしいなんて…！言われた事な…





貴「俺…日向が敵になるの…1番嫌…。けど、味方なら…1番頼もしい…。日向は、日向の出来る事をやったら、良い。変に気張らなくても、日向は十分…強い」







あった！青城との練習試合の時に永田に言われた！


チラリと永田を盗み見ると目が合って柔らかく笑われた！ドキッてした！てか今もドキドキしてる…！やっぱ俺変だ…！

西谷さんも永田を見る時こんな感じなのかな？





西「けどやっぱ “ 憧れ ” といえばエースかぁ」


日「！はい！エースかっこいいデス！」


西「 “ エース ” って響きがもうかっこいいもんな、チクショウ

“ エーススパイカー ” っていう花形に比べたらセッターとかリベロはパッと見地味だもんな





けどよ、試合中会場が1番 “ ワッ ” と盛り上がるのは、どんなすげぇスパイクよりもスーパーレシーブが出た時だぜ







高さ勝負のバレーボールで、リベロは小っちぇえ選手が生き残る唯一のポジションなのかもしんねぇ。けど、俺はこの身長だからリベロやってる訳じゃねぇ


例え身長が2mあったって俺はリベロをやる。
スパイクを打てなくてもブロック出来なくても、ボールが床に落ちさえしなければ、バレーボールは負けない。





そんでそれが1番出来るのはー…リベロだ」

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