白烏 ２

【 溢れる心の水 】 ページ40

影「モグモグモグモグ」

日「ムゴォッ！？」

菅「水！水 水！」

田 西「潔子さん！おかわり！」

東「西谷も田中もよく食べるなぁ」

澤「お前もちゃんと食えよ」

縁「あいつら何枚目？」

成「…5杯目」

木「胃袋バケモンかよ…」

月「王様は兎も角 日向はそんなに食べてもチビなんだね」

山「確かに…っ」






食事中も喧しいな




…けど、賑やかにご飯食べるなんて初めてかもしれない
いいな、なんか分かんないけどいいな。




って思ってたら目から水出てきたんだけど。ちょっと待って涙腺崩壊した





木「永田…？」

貴「あ、いや…その…」





やっべぇ、騒がしかった食堂が一気に静まりかえったわ
みんなこっち見てるし、いや、見るよな？急に泣いてるやついたら見るよな、俺だって見るわ
どうしよう。取り敢えず落ち着こう俺よ。

汗とかって言っとく？…日向とかは騙せても先輩達は無理だよな
カレーが辛かった…ダジャレかっ？！

なんか涙引っ込んできたわ






日「永田、大丈夫…か？」

貴「あ、うん。なんか、その、ごめん。」

清「カレー辛かった？」

貴「あ、いや美味しかった…です」

月「…………」







うわーやらかしたなー





貴「別に、大丈夫です…ので、なんか、すいま…せん。お先です」






よし、逃げるが勝ちだ

食べ終わった食器を洗い場に持ち込み、そのまま逃げ去った
頼りなく光る蛍光灯の明かりが、なんか俺の心情を表してる気がして思わず苦笑いが溢れた


みんなとご飯で泣くなんて、まさかだわ、俺。
多分学校の修学旅行とかそんなのじゃあ、こんなことにはならなかったはず

でも、やっぱバレー部だからかな。この数日間で俺の中では随分と居心地のいい空間に変わってきている






月「人には言えないことって誰しも１つや２つ、あるんじゃない？」


貴「！……つき…しま」


月「何でもかんでも晒け出せるなんて単細胞くらいデショ。君が特別なわけじゃないんだから」


貴「…あり、がと」


月「何が？」


貴「…いや」






ブキッチョな月島から出たのは、慰めとか励ましの言葉じゃなくてただ、月島自身が思ってる意見だった


きっと月島にも何かあるんだろう。それを俺は聞き出さない。聞いてと言われたら、まぁ、考えるけど

多分少し似てる。




月「安心しなよ。皆気にはしてるけど触れはしないから」


貴「そっか」





いつも月夜に米の飯…ってか？ある意味上手いな、俺

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