この無慈悲な世界に能力で希望を【リレー小説/派生作品】 (ページ28)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,073 hit

可能性【神月いのり/ユウミ】ページ28

瀬戸内さんの芝居を見たとき、直感的に

“良い”

と思った。

指先まで魂のこもった動作、よく響く透いた声、伝わってくる躍動感。

私は芝居が好きなので、今までかなりの場数を踏んできたがこの年でここまでできる人には出会ったことがない。

心の臓が共鳴するようにドクドクして、心が痺れたようにピリピリする。

一言で例えるならば、快感。

後に扇歌が、その時の私の瞳は光があったと言っていた。

生きているうちに失った少し光が戻ったらしい。

「本当に、帝華さんのファンになりました。私が男(ますらお)なら確実に貴方に惚れていました!貴方の友達、いや親友になりたいです!帝華さん!!!!!!」

思いの丈を勢い良く述べると、瀬戸内さん…ううん帝華さんが顔を真っ赤にした。

可愛いらしい。

「そ、その…神月…?」

「ああ!可愛いですその顔!演技している時は凛々しく美しく!だが普段は冷めてる氷の美貌を持つ不良!それが褒められただけでこんなに真っ赤になる!白い肌に映えますね!ギャップが素晴らしいです可愛いです!!!」

五限目のチャイムが鳴った……ような気がした。

「扇歌、その『ネバーランド』読ませてくれない？演出…考えるから」

「お、お母さんが演出…!?」

さっき気付いた、演出家がいないじゃないか！と。

「一人芝居だったら、背景にスクリーンとかあると便利かも。えーっと、髪先生！もろもろの調達お願いしますね」

「……は？」

「先生なんだから、できますよねぇ？」

「やってやろう…！」

道具の調達は髪先生に任せ、私は『ネバーランド』の世界に入り込んだ。

――――――
超・余談
いのりが演劇好きなのは、私が好きだからです。
心の臓がーーのところとか、本当に舞台を見てる私の状態(末期症状)

今は宝塚でも帝劇でもいいから『アナスタシア』が観たいです…。
あのあたりのロシアの退廃的な雰囲気大好きなんだー！Ticket give me.

最後に、コロナを許してはいけない。(コロナで英語劇をする行事がなくなった)