なんでこーなるの/prn ページ8
関係性:恋人
ゲーム実況者
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私にとっては、すごく小さな事。マグカップを3つほど捨てた。それだけ。
『余ってたマグカップ、捨てといたから。』
そう言ったら、君はすごい勢いで振り向いて、鬼の形相で怒り出した。
「なんで勝手に捨てんねん！！ファンの子から貰ったものやねんで！？」
『でも、5つも要らないでしょ。』
「そういうことじゃないんよ！！順番に使っていくつもりやったのに！！！」
そうだね、そういうことじゃない。私もそう思う。でもごめんね。私はそれを今の君に言う勇気はないんだ。
「何考えてるん！？この前だって、貰った置物捨てたよな？その時俺、捨てないでくれって話したよな！？」
君は人から貰ったものをすごく大事に使う。良い事だと思うよ。素敵な習慣だ。だから、君は変わらなくていい。私が変わらなくちゃいけないの。
『……ごめん。』
口に出す事が怖いだけで、自分が何を思ってるのかはわかってる。
嫌なんだ。私は君の恋人の筈なのに、ファンの女性から貰ったものが沢山ある。私が君に会うより前から君を応援してきた、ファンとして君を愛してきた人達を感じる。
こんなに沢山の貰い物を見ていたら、彼の家を狭くするのも悪くて、彼にろくなプレゼントも選べない。結局、料理とか、形に残らないものばかり選んでしまう。
それってなんだか、嫌だ。
私が何も考えずにプレゼントしちゃえばいいのかもしれないけれど。考えてしまったことを消すことも出来ないし。気付かないふりは性にあわない。
「なんで、」
『ごめんね。』
責める言葉は聞きたくなかった。だから、スマホと財布だけ持って、夜の街に繰り出した。
出会った頃から今の今までほとんどずっと、君は優しい人だ。怒ることはそんなに無くて、怒るのは大抵、実況者としての活動絡みの話。それでも激昂するとかじゃなくて、注意するって感じの事が多い。
でも、それでも。私にはそれが。
私よりも視聴者さんを、ファンを大事にしてるみたいに見えてしまったの。
怖くて仕方ない。私が押し切って付き合ってるだけで、彼は私に好意なんて無いんじゃないか。私なんかよりファンの方がずっとずっと大切なんじゃないか。
ﾌﾟﾙﾙと電話がなって、スマホを耳にあてる。
あったかい声に、どうしようもなく安心して涙が零れた。
「はよ帰っておいで。ゆっくり話させてや。」
醜いなぁ、私。こうやって構ってくれるのすら嬉しく感じちゃうんだ。
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アキ(プロフ) - 雛月美鈴さん» 初めまして、コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで何よりです。応援もありがとうございます、カメ更新ですが、これからもよろしくお願いいたします。 (2021年1月20日 9時) (
レス) id: d6d7f00666 (このIDを非表示/違反報告)
雛月美鈴(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。先生の書かれる小説を楽しみに拝見させていただいています。特にシチュエーションが私の性癖にかなり刺さっていてとても好きです。あまり語彙力はありませんが、これからも応援しております。 (2021年1月19日 19時) (レス) id: 624a0daba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひの | 作成日時：2020年10月25日 12時
