シニヨン/ark ページ6
関係性:恋人
夢主は踊り手。
歌い手
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『……よぉし！』
なかなか上手く髪のセットができた気がする。
今日は踊ってみた動画の野外撮影。
スタジオで撮った方が人目を気にしないでいいし、楽なことも多い。でも今回の曲はどうしても、野外で……というか、ちゃんと凝って作りたかった。
ひび割れたコンクリートの壁を頑張って探した。荒廃した世界の話だと思ってるから。荒廃した場所なんて、現代日本じゃまず見つからない。
「おはよーさん。はやいね？」
背後から近付いてきた彼。
『今日は撮影だからね〜、見てこの髪！シニヨン！！』
「おぉなんかむずそう笑」
『自分でやるのはちょっとめんどかった笑』
「朝からがんばったんだ。」
頭をぽんぽんと撫でられる。
普段はくしゃくしゃにする癖に、セットしてるのちゃんと気にしてくれるの好き。
「何の動画？」
『あなたの歌使う。シニヨン。これでわかる？』
「……シニヨンの兵隊？」
『だいせいかーい！』
私は彼の──あらきの、余裕のある張った声が大好き。低い声も好き。笑い方も、意味はよくわかんないけどなんか笑えちゃうワードセンスも、全部。
普段の彼と、動画の彼は纏う雰囲気が全然違う。でも、赤い男性にしては長い髪が揺れていたり、不思議なくらい白い肌に、彼から大好きな歌が紡がれる予感はひしひしと感じるの。
『行ってくるね。』
「ん。いってらっしゃい。」
大好きな人が歌う大好きな曲を、私が踊る。それってすごく幸せ。
シニヨンの兵隊の踊ってみたなら、私が1番。そう言えるように、言われるように。これこそが正解なんだと錯覚させるくらいの動画を作ってみせるの。
それもこれも、私と彼の組み合わせが1番だっていう、独占欲と我儘のため。
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アキ(プロフ) - 雛月美鈴さん» 初めまして、コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで何よりです。応援もありがとうございます、カメ更新ですが、これからもよろしくお願いいたします。 (2021年1月20日 9時) (
レス) id: d6d7f00666 (このIDを非表示/違反報告)
雛月美鈴(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。先生の書かれる小説を楽しみに拝見させていただいています。特にシチュエーションが私の性癖にかなり刺さっていてとても好きです。あまり語彙力はありませんが、これからも応援しております。 (2021年1月19日 19時) (レス) id: 624a0daba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひの | 作成日時：2020年10月25日 12時
