軽口/towaco ページ1
関係性:恋人
ゲーム実況者
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また何か彼がゲームをしていた。
近くで光っているランプやらマイクがないことを確認して近づく。
「なにやってんの？」
「ん？あーーデドバ。」
動画外でもやらんと腕落ちるしな、と笑う彼は私の大学の同級生だったとわこ────そして、恋人である。
ゲーム中に話しかけるのに、普通の恋人同士なら確認や躊躇なんてしないだろうけれど。
そうしてしまうのは、彼がゲームをしているのは仕事の時があるからだ。
喋りながらゲームを進めて、それを撮った動画を編集、投稿。世にいうゲーム実況者という奴である。
慣れない頃は喋ってなければ大丈夫だと思っていたけれど、時間がかかる作業ゲーだと無言でやって編集でカット、なんてこともあるようで。下手なタイミングで話しかけると編集が難しくなると知ってから、常に確認する癖がついた。
「どうかしたん？A」
ちょうど一区切り付いたようで、こっちを向く。その誠実そうな目が、悪戯げに笑った時が好きなのを彼は知っているだろうか。彼は嘘が上手いからよく騙されては私は怒ったふりをするけれど……いや、本当に怒ることもあるな。でも、嘘がバレた時に笑うとわこの目がすごく好きだから、怒るに怒れないみたいなところがある。
「いや？」
何もないよ、なんて言いながら更に近付けば、とわこは私の髪をわしゃわしゃと撫でた。
低い落ち着いた声も、冷静な性格も、たまに気が動転した時も。
私がどれだけとわこを好きなのか、わかっているんだろうか、なんて。頭を撫でられるがままにそう思う。
「Aって猫みたいやんなぁ。」
撫でると気持ちよさそうな顔するやん？
意地悪げに笑うその顔も、なんだかんだ好き。心底私は彼に惚れているのだ。同棲してもう2年になるのかな。一向に冷める様子はない。
でも、私だって知ってるんだからね。
「………とわこもじゃん。」
私が嬉しそうな顔をすると、決まってとわこも嬉しそうなの。
気ままな猫を躾てるつもりなのか…とわこなら躾られてもいいや、と思うあたり私も相当なのだけれど。
「なにがよ。」
「ひみつー！」
「はぁ？Aさん僕に秘密ってどういうことですかー？」
「秘密は秘密やもん笑」
こうやって軽口を叩き合うのも好き、なんてのは。
言わなくても伝わってるよね？
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アキ(プロフ) - 雛月美鈴さん» 初めまして、コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで何よりです。応援もありがとうございます、カメ更新ですが、これからもよろしくお願いいたします。 (2021年1月20日 9時) (
レス) id: d6d7f00666 (このIDを非表示/違反報告)
雛月美鈴(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。先生の書かれる小説を楽しみに拝見させていただいています。特にシチュエーションが私の性癖にかなり刺さっていてとても好きです。あまり語彙力はありませんが、これからも応援しております。 (2021年1月19日 19時) (レス) id: 624a0daba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひの | 作成日時：2020年10月25日 12時
