素直じゃないね、でも好きだよ 3【アイナナ】 (ページ3)

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＊百サイド

prrrrrr prrrrrr……

アラームの音より先に、着信の音で起こされた。

……まだ眠いのに。

でも、電話をかけてきた相手は、愛しのダーリンである千だったから、覚醒した。

「もしもし！ダーリン！どしたの？」

千『百！？これは一体どういうことだ！！』

「……ん？なんのこと？」

千『……Aちゃんと別れたのか？』

「……ああ。千に言ってなかったっけ？そうだよ。ついこの間だけど。……なんで知ってんの？？」

千『……テレビ見てないのか？』

「……んん？テレビ？待って、つけてみる。」

テレビをつけると、目に映る文字が俺をさらに覚醒させた。

「天とAちゃんの熱愛報道！？！？」

ズキッ

はは。なに傷ついてんだよ俺。

これは俺が望んだことなのに。

千『……そうだ。でもこれには裏がある。実際、天とAちゃんは付き合ってない。』

「……！！きっと了さんの仕業だよ。了さんの計画を邪魔しちゃったから。」

千『……どういうこと？』

「俺がAちゃんと別れたことで、了さんはAちゃんを脅して手元に置いておくことができなくなった。……だから……「待って」……？」

千『百が別れた理由って、Aちゃんを守るためなのか？』

「……うん。そうだよ。」

千『バカじゃないのか！！Aちゃんのことが好きなんだろ！！……今も、百は傷ついてるんじゃないのか？』

「……千の言う通りだよ。でも、これしか方法がなかった……。」

千『……Aちゃんの件についてはまた今度だね。この件は明らかにTRIGGERを陥れる罠だ。』

「うん。このあともTRIGGERに何かしてくるかもしれない。注意しとかなくちゃね。」

こうして千との電話を終えた。

再びテレビに目を向ける。

画面に映るのは、天とAちゃんが親密そうにしている写真。

別れたとはいえ、この想いがある以上は見るのが辛い。

「……俺が選んだ道なのになぁ…。」

もうAちゃんは天に任せたんだ。

俺はAちゃんを忘れるんだ。

とにかく今は、TRIGGERを助けなきゃ。