マスターちゃん【FGO】【斎藤一】 (ページ2)

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バビロニアを越えて、終局特異点、冠位時間神殿・ソロモンでDr.ロマンを失って、マシュちゃんが戦えなくなって。
それでもマスターは止まらなかった。いや、止まれなかった。
人理のために、止まることは許されなかった。

新宿での戦いが終わり、レイシフトを待つ。この地で出会ったサーヴァントたちはすでに座に還っている。
新宿は元の光を取り戻し始めていた。マスター、Aが生きていた新宿に。

今この瞬間に人理修復が完全に終わったのであればどれだけよかっただろうか。

「マスターちゃんさー。ちょっとくらい休んだら？」

俺たち英霊が知らない街灯の明るさのおかげで疲れ切った顔をしているマスターの顔が見える。何日もまともに眠れていない顔だ。
新選組にいたときはそんな奴らを見てもなんとも思わなかった。
だがどうだ。現に今、俺はマスターを心配している。いつの間にか、それほど絆されていたんだな。

『ありがとうはじめちゃん、でも大丈夫だよ。はじめちゃんこそ疲れてない？』

「僕は別に問題ないですけど。サーヴァントなんでね。疲れとは無縁なんですよ」

でも、マスターは別だろう？……なんて言えたら俺だってこんなに悩まない。

『カルデアに戻ったらちゃんと寝るよ。お風呂入って寝れば疲れなんてすぐに取れるから！』

「ハァ……。そーですか。ちゃんと髪乾かせよー。風邪ひくからな」

『わかってるよー。はじめちゃんってば過保護だなー』

……寝たってあんたの心は休まらねぇだろ。知らないとでも思ったか？夜な夜なうなされてること、寝てるふりをして実はちゃんと寝れてないこと。

「マスターちゃん、さ」

「ふたりともー、レイシフトの準備はいいかなー？ま、問答無用で実行するけどねー！」

ダ・ヴィンチからの通信と強制レイシフトで会話は途切れた。

それから「くりすます」とやらが終わって俺たちが座に還るときが来た。