強気な女と強い鬼ー夜明けー

ーこの世の者ー ページ28

隠2｢Aさんっ…｣





Aの手紙を読み終えた隠2の瞳からは涙が止まらなかった。





その涙にはたくさんの意味が込められていることだろう。




隠2｢！これは…｣





手紙の近くに置いてある白い布には何かが包まれている。





その布を手に取り広げると





隠2｢これはっ…！Aさんの髪…？｣






そこにはAの綺麗な髪と手紙に出てきた鬼から貰ったと思われるちぎれた青い組紐。




隠2｢(Aさんはそれ程までにっ…)｣





するともう一人の隠がこちらにやってくる。




隠1｢お前、泣いてんのか…!?｣




隠2｢これ…Aさんの最後の手紙…｣



隠1｢嘘だろ…!?｣





隠1もAの最後の手紙を読む。




そしてまた涙を流す。





隠1｢Aさんにとってその鬼は相当特別な鬼だった
んだ…｣



隠2｢そうね…心中するぐらいだもの…きっと二人にしか
わならない何かがあったのね…｣








それからAの手紙は鬼殺隊本部へと渡った。



彼女は鬼殺隊では無かったが強き剣士だった。


そして愚かだった。






それからその手紙はどうなったのかは誰も知らない。



燃やされたのか捨てられたのか



それともまだどこかに存在するのか







それは誰も知らない。

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