流れ星のようにキミは。 (ページ2)

今日:23 hit、昨日:6 hit、合計:22,643 hit

探しているページ2

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…

何度目かの目覚ましの音で目を覚ます。

猗窩座｢…｣

窓から差す、陽光に身体が当たっても灰にならない。

人間に生まれ変わったのだから当たり前だ。

狛治｢猗窩座、早く起きろ！遅刻する｣

猗窩座｢わかってる｣

ベッドから身体を起こして着慣れた制服に袖を通し、ベルトをしめる。

鏡の前に立つとあの日の自分が蘇る。

前世、俺は鬼だった。

狛治は人間の時の俺の姿で双子の兄として共に転生した。

母｢猗窩座〜？ご飯食べなさいよ〜｣

猗窩座｢ああ｣

1階から聞こえてくる母の声に応えて下に降りご飯を食べる。

人間の飯。

18年間、変わらず食べてきたのに

今でも時々食べれていることが不思議に感じる。

狛治｢猗窩座、俺は不死川先生に用あるから先に行く｣

猗窩座｢ああ、わかった｣

玄関を開けて出ていった狛治の背中を何となく見つめて
トーストを齧る。

母｢ふふっ、猗窩座は本当に朝に弱いのね｣

猗窩座｢そうか？…まぁそうか｣

当たり前に家族がいて

当たり前に飯を食って

学校へ行く。

_________________________

母｢お弁当持った？｣

猗窩座｢ああ｣

母｢行ってらっしゃい、猗窩座｣

猗窩座｢行ってきます｣

見送ってくれる母にそう言って玄関を開け、歩き出す。

｢ねー、これ知ってる〜？｣

｢マジでー！？｣

周りには俺と同じキメツ学園に通う生徒がいて

今日も会話に花を咲かせている。

猗窩座｢…違う｣

でも違う。

あんな雰囲気の女じゃない。

俺が前世で愛し、今も尚、忘れられない

忘れたくない最愛の人。

今どこにいるんだ

転生して18年、お前だけをずっと探してる。