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『……かなたさん達、何話してるんだろう』
「…さー?」
「僕達のことなんじゃない?」
『そうなの?』
「…多分」
確信がないからか目を逸らして下を見るセンラくん、坂田くんはいつもどうりの様でペタペタとバケツの水に突っ込んだ手を砂に付けてお山らしきものを創り出していた。私も一緒に固める。固まったお山を見て手を洗いに行く、帰ってくると頬に汚れがついていることに気がついた。
『…ぁ、泥ついちゃった…』
「…んー?はい」
センラくんの手にはハンカチが握られており、男の子が好みそうな電車の柄が入っていた。黄色いハンカチが目の前に出されたので反射的に顔を前に出した。
「ぇ、あ…」
『…ぁ』
かなたさんにやってもらう癖で出してしまったと気がついて慌てて首を引っ込めようと動かすがそれを止められる、目の前にセンラくんの大きな目が見えて少し身体が固まるが頬を包んだ感覚に目を向ければそこにはハンカチがあった。…拭ってくれるんだ
『…ありがとう』
「ええよ、女の子は綺麗な方がええって志麻くんが言っとった」
『へぇ…志麻さんが』
「僕は!?僕は!?せんちゃん!!僕も僕も!!!」
「優は男やろぉ?汚れても別にええやん、あと僕はAちゃんにしかやらへんよ」
坂田くんの大きな声に耳を塞ぎながらジト目で見つめそう言い放ったセンラくん、坂田くんは残念そうに項垂れて「えぇ!!?…なんで僕は駄目なんよぉ…」と呟いた。センラくんはそれに応えるように口を開いた。
「だって、Aちゃんは可愛ええもん。それに優はほっぺ汚れても気にせんやん」
「うぐっ、…Aちゃぁぁん!!せんちゃん意地悪やー」
「人聞きの悪いことはやめてや!!Aちゃんに嫌われてまうやんか!!」
一部始終を見ていた私に何を言っても別に何も慰められないんだけど…と言う声は喉までに留めて、坂田くんのしょんぼりを治す行動を考える。一つ思いついたがこれで元気になるか不安だ、だけどやってみることにしてみた。
私はハンカチをポッケから取り出した。
『おいで。私がやるよ、センラくんじゃなきゃ嫌かもだけど…』
私がそう言うと二人の言い合いはピタリと止んだ、代わりに私の方を見つめている。
「「…はぁぁぁあ!!?」」
驚いた私を追い詰めるように2人が近づいてくる。
「やってやって!!せんちゃんより良い!」
「はぁ!?ふざけんなや優!僕がやってもらいたいのに!!」
『…あれ』
再び喧嘩が始まった。
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夜桜(プロフ) - 犬坂さん» わぁぁ!!犬坂ぁぁ!ボードでお話あんましてなかったから久しぶりー!!コメント嬉しい!!!覚えてるに決まってるよ!!!おしゃべりめちゃ楽しかったもん!!!リクエストマジありがとう!!もちのろんで書かせて頂くぜ!!!! (2019年6月30日 19時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
犬坂(プロフ) - まふくん可愛いwあ、お久しぶり!犬坂だお、覚えているかい?あと。リクエストで、『夢主ちゃん迷子になってほすぃー』 (2019年6月30日 19時) (レス) id: 6b5e6236e0 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - そると。さん» 私も素晴らしいリクエスト頂けて嬉しいです!!!そると。さんに感謝しかないです!!コメントありがとうございます!! (2019年6月28日 22時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
そると。(プロフ) - こんなに早く書いていただけて嬉しいですー!楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年6月28日 22時) (レス) id: 86f42cc0f3 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - まろまろさん» ぁ、まだ数話続きます!!ありがとうなんて、私の方こそリクエスト有難いので、マジ感謝なんですよ!!!本当にありがとうございます!! (2019年6月21日 20時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 | 作成日時:2019年3月3日 17時