子供生活4日目 ページ7
「＿＿＿さん、かなたさん！」
『ん…』
いつの間にか俺も眠っていたようで、外に目をやるともう暗くなっていた。
『あー…ごめんAちゃん、寝てた』
「いえ、その前に…その…」
『ん？…どうしたの？』
「泣いて、ごめんなさい…迷惑かけてごめんなさい」
『ぇ…なにを……？』
「もう迷惑…かけないので、だから…私を叩かないで、捨てないで…！！」
俺は息を呑む
なんでこの子がこんなに怯えているのか、なんで俺を怖がっていたのか……
きっと泣いたら叩く、そう言われたんだろう。
『Aちゃん、こっちを、俺の目を見て』
Aは恐る恐る俺の方を見る。
『俺は…君と暮らしたいと思ってる』
「……はい」
『でも別に下僕とかそんなふうに思ってないし、そんな関係には死んでもなりたくない』
「……！！」
『Aちゃん』
『俺は、君と…Aと家族になりたい』
「…う、ん」
『…だから、なんでも言っていい、ワガママなんかじゃない！好きなだけ泣いていいんだ…』
「…でも、こわい」
『怖い？』
「…ずっと、ずっと一緒に居れると思ってたのに、無くなるのが怖い、失うのが…怖い！」
お父さんとお母さんは事故で亡くなったと言われた時…1番絶望して辛かったとAは言った
『俺が、居なくなるかもしれないから？』
俺の言葉に小さく頷き、ぽろぽろと涙を零した。
『＿＿＿っ』
『…A、小指出して？』
Aはゆっくりと小指を差し出す、その小さな指と俺の指を重ねる。
『俺は＿＿Aのそばを離れないで一緒に暮らす！…ゆーびきーりげーんまーん嘘ついたら針千本のーます、指切った！』
「ぇ……か、かなたさっなんで！！」
そっとAの頭に手をのせて、優しく撫でる。Aは目を見開いて、不安そうな顔で俺を見つめる
『…これから、この約束を守るために……俺は生きてAのそばに居て……約束を守ったってことを証明する』
「！！…ぅあ……っ」
『嘘つきにならないように俺はAのそばに居る……これじゃ、ダメかな？』
Aは大きな瞳から涙をさらに流して、俺の手を取り、大きく頷いた。
「っ……ぅん、うん！私かなたさんと、一緒に暮らしたい！」
『ありがとう、A』
「…ありがとうございます、かなたさん」
−−−−−
『そう言えば俺Aのこと呼び捨てにしちゃった』
「そのままでいいです、呼び捨てにしてください」
『…そう？』
「はい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 807人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いろは - 名前いろはに設定してるんです、めっちゃまぎわらしい、、。 いつもだけど。 (2021年6月28日 17時) (
レス) id: 7123c4f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
いちご大福(プロフ) - 次回予告が不穏…けどめちゃ面白い……っ！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 52451fab77 (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - Machika@まっくるさん» それなとしか言えませんね。読み返してみると、矛盾多くね？ってなります…(真顔)(白目) (2020年1月4日 9時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
Machika@まっくる - なんか夢主ちゃん不幸なのか幸せなのか分かんないですね……(真顔) (2020年1月3日 20時) (レス) id: e907e9a35f (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ハクちゃんさん» コメントありがとうございます、面白いなんて、ありがとうございます！！最っ高の褒め言葉です！！私ももっともっと上手に書けるように頑張ります！！ (2019年7月1日 22時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜桜
| 作成日時：2019年1月6日 21時
