『そらる』俺、子供育てます。

番外編ー5ー ページ48

「おにーさん、一緒にあーそぼ？」

「いこーよぉ！」


「いや。友人と来てるので」


「えー、そんなのほっとこうよー！！」

「そーよ、そーよ！」


『っ…Aはここでま＿＿ぇ？』

僕が振り返るとAちゃんはいなかった。
唖然とする僕が前を向くとAはそらるさんの方へ走っていた。
そらるさんのところにつくと女達からそらるさんを守るように両手を広げて立ちふさがった

「っ…辞めてください！！」

「A！？」


「は？何このガキ」

「私らはおにーさんに用があるからガキはどっか行けよ」


「やだ！だって、かなたさんはAのパパだもん！！」


「…子持ち？」

「あーあ、テンションだだ下がりー」

「もう行こー」

そう言うとナンパ女達はそらるさんに見向きもしないで歩いていった。
それを睨んでいたAは安全だとわかると安堵した表情に変わり、その途端Aはぺたりと座り込んだ。

「A！！」

「よ、良かったぁ…怖かったぁ……かなたさ！」

「うん。ありがとうA、カッコよかった」

「！…えへへっ」


見ているしか出来なかった僕は夕方から夜に変わりつつある空を見つめてふと思いついた

『そらるさん！Aちゃん！！』

「あ、まふ…悪かったな」

『いえ、僕もすみませんでした。…それよりも！！ちょっときて！！』

「「ぇ」」

手を引いて連れてきたのは観覧車、チケットを受け付けに渡して2人を中に押し込む

「ぇ、え！？」

『A、頑張れ…！』

「…うん」

少しずつ高くなっていく観覧車を見つめながら僕はホッと息を着いた


ーそらるsideー

まふに押し込まれた俺とAは呆然としながら席に向かい合って座っていた

でも、Aは下を向いていてまるであの日、初めてあった時みたいだった。


『A？』

「かなたさん、今日はしゃぎ過ぎちゃった。ごめんなさい」

『！…いいんだよ、俺凄い嬉しかった。Aが笑ってくれたから』

「っ……うぅぅ、かなた、さ！」

『おっと！？ははっ心配ありがとね』


頭を撫でれば大きくこくこくと頷くA。不安にさせていたことがわかって良かった


『俺ね、Aと家族になれて嬉しいよ』

「わたし、も…かなたっ…さんと…家族、なれて……良かった！！」

『っ……うん！』

2人して泣いてしまったけど…今日くらいね？

『…A、俺に幸せをありがとう』

「私も、ありがとうかなたさん！」



＿＿＿＿俺達はこの後に起こる悲劇を知らず笑いあっていた。

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