『そらる』俺、子供育てます。

子供生活17日目 ページ20

家についた俺とまふは車から降りた。俺はAを抱え、まふには荷物を頼んだ


『よい……っしょ』


「そらるさん、コレで全部ですか？」


『お前、外ではソレ(そらるさん)やめろよ？危ないからさ』


「あ、すみません」


部屋の番号を入れて扉の鍵を開ける、部屋の暗証番号と鍵を差し込み部屋の中に入る。
Aをベットに寝かせ、まふのいるリビングへ静かに戻る。


「…寝かせられました？」


『うん』


「そらるさん、ちょっといいですか？」


『？…うん』


まふのいる方へ近ずいてソファに座るとまふはゆっくりと顔を上げた。
その表情は少し強ばっていて、いつものように優しい目ではなかった



まるであの時……俺にAのことを言った時みたいな目だった。



『…ど、うしたの』


「……」


『まふ、言わなきゃ分からない』


「……それはこっちのセリフですよ」


『は？…』


「…何隠してるんですか」


『ぇ、何が』


「…僕にも言わないつもりなんですか？」


『っ…何を話すんだよ』


「……頼りないですか？」


『ぇ、なに、言っ「僕なんかじゃ信用ないですか？そんなに1人で悩みたいんですか？」…』



「…何も……言ってくれないの？」


『…まふ、俺さ、どうしたらいいんだろ』


「ぇ」


『…Aがね、俺に迷惑かけたくないって言ったんだ』


『俺、その時は迷惑かけて欲しいって思ったけど……後からAはもしかしたら俺を信用してないんじゃないかって思っちゃって』



「っそらるさ『俺、どんどん嫌な方に考えちゃって……俺、どうすれば良かった？』


『俺、Aを引き取って良かったのかな』


「は……？」


『俺以外がAを引き取ってたらもっと幸せだったかも、もっと笑ってたかもしれない』




あぁ、ごめんまふ

お前に優しく言われて俺の嫌なところがどんどん溢れていく、嫌だ、こんなの

辛いことをまふに話してまふが嫌な気分になったら？俺の相談を嫌だと思ってたら？……やめろ、まふはそんなこと思わない。


でも、俺は……どうすれば良かった。何が正解、何が間違い、わかんないよ




『…ごめん、まふ』



「何が、ですか」




『俺の嫌なところ見せて、相談してごめん……迷惑かけて、ごめん』




「……」






「そらるさん、聞いてください」


『な、に』



「……」



･



･



･



･



･



「ふざけないでください」



そう言ったまふの表情(かお)は本気で怒った時の顔だった

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