* ページ8
「切り終えたよ」
「師範、足は」
二人が並んで私に駆け寄ってくる。双子なのもあり、あまり知らない人だったら見間違えそうだ。私は少しだけ微笑み、二人を撫でた。
『ありがと……もう、大丈夫』
「…僕、酷いこと言ってごめんなさい」
「…。」
『……記憶、戻ったんだ』
「うん。Aさんは……僕のこと、見捨てないでいてくれたんだね」
『……勿論』
微かに微笑んだ無一郎に鉄穴森さんと小鉄くんが駆け寄る。ガクガクと震え出しながら炭治郎の所に行くよう言う無一郎、次の瞬間泡を吹き出した。倒れたところを有一郎が支える。
「っ…無一郎、おいっ!!起きろ馬鹿!!しっかりしろ!!今死んだら……許さないぞ、無一郎」
「…うん」
「まだ話したいことが山程あるんだ
……謝ることも、沢山」
泣きそうな顔で無一郎を見つめる。有一郎の頬から一筋の涙が零れた。
「…有一郎は、有一郎の出来ることをしてよ。僕は大丈夫」
「出来るわけないだろ!?…おれは、お前の方が…!」
『無一郎、任せて』
「今の僕じゃ足でまといだよ有一郎」
「……馬鹿野郎。お前の頼み断れないの、知らねぇのかよ」
「…ありがと」
有一郎は立ち上がり無一郎を鉄穴森さんに預ける。そして私の方に向き直った。
「師範は別行動、ですか」
『うん』
「了解。俺は雑魚を切る」
『私は蜜璃の所に行く』
久しぶりの師弟共闘は嬉しかった。が、それよりも私は別のことが気になって仕方がない。
そう、蜜璃の無事である。原作が壊れている以上何かある可能性がある。蜜璃が大怪我なんてしたら私は伊黒さんに殺されるだろう。
『(急がないと…!)』
その時、大きな幹が私の目の前に出てきた。
驚いたものの飛んでそれを回避する。
最初これが何なのか理解できなかったが、蜜璃の声が聞こえた瞬間、これがあの血鬼術なのだと理解した。速度を上げて駆け抜けると森を抜けた……のでは無く、鬼のせいでただの野原になった場所だった。
『蜜璃!!』
「……」
鬼の血鬼術のせいで気を失っていた蜜璃と倒れている炭治郎。捕まっている禰豆子と玄弥。見た瞬間全てを理解した。
『蜜璃を守って!私が受け止める』
「っ…Aさん!お、ねがい、しますっ!!」
「何なんだ。次は餓鬼か………お前、強いな。あの女と共に喰らうか」
『生憎と、当分食われる予定は無い』
『光の呼吸・漆の型』
『___妖光絢爛』
3362人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年10月31日 9時) (レス) @page13 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - うわぁぁあ!!!めっちゃ良い話し…しかも良い所でぇ…終わりなのかぁ…早く見たいです!更新されるのまってます!出来れば早めでお願いしまs (2022年5月22日 22時) (レス) @page13 id: 260906d624 (このIDを非表示/違反報告)
とっ - お、終わり...? (2022年2月11日 12時) (レス) @page13 id: 0f01db0546 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください!!!!!!!!!!!!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤ(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年12月18日 18時) (レス) id: 4f60a72d2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年12月6日 0時