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口元が緩んだ、
何故かは分からない、この行動に意味はあるのか。ないのかもしれない。きっと、ただの私の我儘なんだ。
『………御館様………私は、ここに、…居ていいんでしょうか…』
「…言っている意味を、聞いても?」
『……自分が、恐ろしく思える時があります…』
「…うん」
『本当は、鬼なのかもしれない
…鬼の一族と分かったら…
…皆はどう思うんでしょうか…
御館様の様に受け止めて貰えるのでしょうか、そもそも…私は御館様に甘えてるだけなのではないのでしょうか。
…皆はどんどん怪我をします、
それも誇りに感じる時もあるでしょう、
それなのに…私は何もない。
病気も殆どは血で治ります、ならばどこら辺が人間何でしょうか。泣きも笑いもしない不気味な子供です…
皆は死ぬのに、私は死ねない
化け物に変わっていく私は……
…………生きてて、いいんでしょうか…』
「……そうか、A…おいで」
『…』
起き上がり御館様の前まで動く、御館様は私のことを抱きしめた。驚いて、目を見開き固まる私に御館様は微笑んだ。
「………怖かったんだね、自分が」
『…』
「……私はきっと、Aの不安を取り除けないけど…
……人の死とは、平等に訪れるもの…それが早いか遅いかというだけなんだよ、怖がることは無い。…私はきっと長くは生きられないだろう、それでも最後まで足掻くつもりだ…」
『…はい』
「こんな私が言うのも可笑しいが…
A、君は神様に愛された子だと私は思っているよ。だからこそ、その力を鬼殺隊の為に使ってくれているのが本当に嬉しいんだ」
『……』
「Aは変わらなくていい、無理に作った笑顔も涙も綺麗だけど、
私はいつか本当に心から笑うAを見たいな」
『っ………はい』
「…我儘を聞いてくれるのなら、もう少しの間、私の子供達と共に頑張って欲しい…」
『…勿論です、御館様…』
「A、君は私の大切な子供達の一人ということを…忘れないで欲しい」
『……はい…っ』
暖かい、手も、声も、視線も、
御館様の声に少しづつ、安心感が増えていく。ここに居てもいいんだ、触れると火傷してしまうほど熱くて、綺麗で、不思議な言葉だ。
泣き言がボロボロ出てきたのに、全てが溶かされた気分だった。
一筋の涙が零れた。
「……おや、眠ってしまったかな」
『…』
「…皆、心配していたよ…Aは愛されてるね」
『…』
「………おやすみ、A…」
その日の夢は気分がよかった。
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時