【鬼滅の刃】原作を壊せ、助けるために。《参》

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目が覚める。


喉がカラカラに乾いている、夢では起きていた気がするのに現実世界では起きてない。
そもそもここは漫画の中、アニメの中の世界だから…現実じゃなくて、いや、でも生きているのなら現実だし、原作壊してるし…
あぁ、頭が混乱してきた。
とりあえず、腕を……腕を…


『…ぅ……が…ない』


思い通りに動かせない、身体が重い。
両腕が…動かない。
これは重症だと思い、右腕を気合いで動かす。動かすというか引きずる感覚な気もしないではないが、机にあった花瓶を落とす。
ﾊﾞﾘﾝｯと、大きな音を立てて花瓶は割れた。
バタバタと足音が廊下から聞こえてくる、
顔を覗かせたのはアオイちゃんだった。
目を見開き、そして、何故か涙を零し始める。

『ぇ、あ……ぉ…い…』


「う、ふぐぅ…ふ……うぅ、起きないかと、思って…うぐ、ぁ…Aさ、よ…か」


「アオイ、どうかし……Aさん！！…起きたんですね…良かった、本当に良かった…」

『な、か…いで、……あお、し…ぶ』


「………泣いてません、……それより…１ヶ月は長すぎます…何時まで待たせるつもりだったんですか…？」

『……ご、め…ね』

「…生きてて…よかった、もし貴方が死んだらわた…………心配、したんですから…」

『……』

アオイちゃんは涙を拭い、しのぶは私を抱きしめた。
久しぶりの人の温かさに眠くなる、大量に寝てたのに、寝足りない身体ってどうなんだ。
しのぶに手伝ってもらって体を起こす、いきなり起きたから身体が驚いて動きが制限されていたらしい、ゆっくりとだけど両腕とも動いてくれる。瓦礫に潰された足も元通りだ。

『えっと…宇髄さんは…』

「彼なら、治療はもう済んでいて、更に鍛錬までしています。もう病人ではないですね完全に」

『そっか、腕も足もあるんだね』

「…よく分かりませんけど、大きな怪我と言っては片目の視力がほんの少し落ちていることですね」

『！……なんで』

「…でも切られた傷はないですし、ただ単に目が悪くなったと言われても違和感ない誤差の範囲です」

『…ありがとう、しのぶ』


「…それでは、私は御館様と他の柱の方々に報告してきます。くれぐれも安静に、して下さいね？」

『……はい』

「アオイ、頼みましたよ」

「は、はい」

そう言ってしのぶは出ていった。
アオイに皆の状態を聞いてみる、


宇髄さんは回復済み

炭治郎はまだ寝ている

善逸は起きたが絶対安静

伊之助も毒のせいで安静



全員、生きていた。

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