☆ ページ5
ーAsideー
時間は早いもので、奥さん達と約束していた時にもうなってしまった。
そろそろ帰っても平気だろうか、と思いながら後ろを振り返ると底には誰もいなかった。
「ぇ…」と困惑丸出しの声が聞こえる、自分の口から出た音だったらしい。
『う、ずい……さん、どこ』
「_____ここだよ、阿呆」
『!……上…は、…分からない』
「お互い様だろ、早く歩くからだ、許せ」
『……ごめん』
「……やる」
『…なにこれ』
手渡されたのは小袋、黄色の袋には何かが入っている。手のひらサイズの袋の中身がわからず首を傾げるが開けろと言われたので大人しく開けてみる。
『!…………これ、髪…ひも』
「やるよ、色綺麗だったしな」
『で、でも……』
「いいって言ってんだろ、大人しく受け取りやがれ」
『……』
「…お前まだ子供だろ、貰っとけよ」
『…失礼な………………………でも、有難く、貰っておきます』
「んー…そろそろ帰るか」
宇髄さんが、私の手から髪紐を取り、髪の毛に付けてくれた。
紐は茜色で、金色の勾玉が真ん中についている。
何とも豪華そうに見える物を貰ってしまったと思いながらも、髪が風邪で揺れる度に微かに見える茜色が綺麗で口角が自然と緩んだのが分かった。
『宇髄さん、……ありがとう、』
「!……いつもそうしてりゃよぉ…」
『……なにか?』
「いや、言ってやんねー」
『……帰りましょう』
「ん」
宇髄さんは私の横ではなく少しだけ後ろを着いてくる。宇髄さんにも贈り物渡さないと…と考えていた。
「……やっぱ、赤が似合うわ、お前」
『……』
呟くように言われたその言葉はどういう意味なのだろうか。
ー・ー・ー・ー
屋敷に入り居間へと入った瞬間、宇髄さんがよろけた。いや、奥さん達のタックルによって後ろに倒れた、が正しいだろうか。
驚いた顔したまま呆けている宇髄さんの前に行って箱を取り出す。
『誕生日、おめでとうございます』
「……………はははっ!!!……あー…なるほどなぁ…ククッ…そう言うことかよ……まんまとやられたぜ」
「驚きました!?」
「どうでしょう?」
「頑張ってみたんですよ」
『…成功、ですかね』
「…………お前ら、最っ高だわ」
口元を楽しそうに歪めて笑いだした宇髄さん、奥さん達は顔を見合って微笑みあっている。ケーキを切っていたら呼ばれたので近寄る
「四ノ宮、ありがとよ」
『……いえ』
今日一番の、幸せそうな顔だった。
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時