☆ ページ4
『おい、どこ行くんだ』
「……考えてない」
『はぁ?……ぶらぶらするしかねーな』
本当に何も考えてなかったのか俺を見つめて動かない四ノ宮、なら何故外に行こうなどと言い出したのかまるで分からない。
「詳しい?」
『まぁな、行くぞ』
「ん」
それからは俺の嫁達と行くとこに連れ回した、何処に行っても同じ顔しかしない女は初めて見た気が…いや、胡蝶が居たか、が…あれは笑顔だがこっちは真顔だ。全く表情が分からん。
しかし、話しかけられたりして答えているとこを見ると嫌がっているようには見えない。
分かりやすいのかずらいのかどっちなんだ。
「…………」
『どうした、気になるもんでもあったのか』
「…いや、髪紐が…沢山、あるなと、」
『(髪紐…ねぇ…?…コイツそんなの興味あったのか?分からねぇ奴だし、掴めねぇ…)』
『お前も女なんだな』
「失礼な」
『悪い悪い、つーか買えばいいじゃねーか』
「…結う髪がない」
そう答えるとスタスタと歩いていった、布を被っているから見えないはずの髪が風で揺れて布も外れた。
見えた髪は切りそろえられておらず、サラッと揺れたその髪は肩より僅かに下だった。
納得した、いつ切ったのだろうと思ったがそう言えば、切られていた、あの戦いの時に。
女の命と呼ばれる髪をバラバラのままにして放っておいているのは何故なのだろう。
女の気持ちなんて分かるはずない。そもそもそんなことを考えても意味無い。
……でも、一瞬だけ、その横顔が寂しげに見えたのは…気の所為だろうか。
『………………………………あ、…』
「あんちゃん、どうした」
『おやじ、これ負けてくんな』
「えー…美人ならいいんだけどなぁ…男はお断りだぜ?」
『美人だろーが、目かっぽじってよく見ろよ』
「はいはい、美人だよ」
適当に流し出すおやじを小突けば冗談だと笑われる。財布を取り出しソレを手に取りおやじに金とともに手渡す。
『んじゃ、これでな』
「はいよ、毎度あり」
『…………たく、…』
「想い人かい?あの嬢ちゃん、また嫁増やすのか?」
『…………ばーか、なわけねぇだろ』
「そうかい、ま、甘酢っぺぇことになるよう願っといてやるよ」
『おやじぃ…そう言うのは結婚してから言うこった』
「おいおい、おっさんなめんなよ?」
『爺の本気とか見たかねーな』
「ほれ、行った行った」
『はいはい』
おやじに別れを告げ、四ノ宮を追いかける。
・
・
『……………嫁…ねぇ…』
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時