第三十三章【歪んだ愛】 ページ29
そう言われて小さく頷いた、体格的に男の方は口を微かに動かした。
「_____呼ぶまで戦え」
「殺してはならないのですか?」
「………」
「!……御期待に添えれるよう、努力します、神狐羅様」
ぺこりと頭を下げて、その男に膝を着いた…子供は私に向き直ると気味の悪いほど口角を上げて片手で錫杖を握り、地面を一突きした。
その瞬間、
ボゴンッ!!
『!』
「……脆い地面ですね」
『(絶対わざとだ)』
抉れて、さらにはヒビが辺り一面に広がっている。地震でも起きたのかと言うくらいの亀裂にあれが自分の頭だったら…と想像して寒気がした。
目の前の鬼は先程
父が離れていく…
『……退いて』
「嫌ですよ、私の愛する御方に近づかないでいただけますか?」
『……愛?』
「えぇ、愛です。私の愛はあの方をお守りする盾となり…武器となり、あの御方の血肉になる」
『……気色悪い、話さなくていい』
「………………私に命令していいのは神狐羅様とあの方のみだ。黙れ」
『…』
笑顔、いや、仮面の隙間から見える口元が笑っているが声色は全く笑っていない。怒っているのが目に見えている、目の前の鬼は鬼舞辻無惨と神狐羅様とやらに御執心らしい。
『……お前を殺して、男も殺す』
・
・
「_____は?」
いきなり空気が変わった、上手く表現が出来ないが、殺気を受けた時に感じる威圧と、胸が張り裂けるかと思えるほどの声の低さ。
先程の中性的な声はわざとだったのか、それとも地声を精一杯低くしているのか、後者であった場合は可愛いの一言で済むが……前者なら、此奴は男だ。
『……』
「……………………おい…餓鬼、今なんて言った、なんて言ったと聞いてるんだ、早く答えろ、一秒だって惜しいんだ、早く、早く…早く早く早く早くはやく、はやくはやくはやくはやくはやくはやくはやくはや『五月蝿い』
『…殺すと言ったんだ、耳でも悪いのか』
「……」
急に黙りこくった目の前の鬼は俯いた。
「……そうか。…そうか、……よーく、分かったよ」
『……』
・
・
・
「___全力で、お前を捻り潰して生まれたことを後悔させてやる。
ボクを怒らせたこと、
あの御方を侮辱したことも…全て…!」
そう言って仮面を外した少年の瞳は真っ黒だった。
「____楽に死ねると思うなよ、餓鬼が」
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時