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鈴の音

何故聞き覚えがあるのだろうか、初めて聞くはずなのに…

私の動きが止まったからか蜜璃が首を傾げ、私の顔の前で手を振った。それに反応すれば安心したように微笑み大丈夫かと聞いてくれた、彼女はまるで天使だと思う。

『……ごめん、私、行かなきゃ』

「…分かったわ、私は人を助けるけどAちゃんもでしょ?何か理由があるのよね?」

『……うん』

「じゃあ、また」

『これ、怪我したら、使って』

「うん、ありがとう!Aちゃんも気をつけて!!!」

そう言うと手を振り走り出す、手を振り返すとようやく前を向いて速度を上げた。

私も音がする方へ、
銀色が見える方へ…
何故か足が早まっていく、心拍数が多い、目が乾いている。なんでここまで変な気持ちになるのだろう。疑問に思いながらも足をとめずに走り続ける。


『………ここだ、……居ない?』

先程まで鳴っていたはずの鈴の音が聞こえない、まるで霧で隠されてしまったかのようだ。なんで聞こえないのか、周囲を見渡しても何も無い。勘違いなのか?と思うが胸の奥がざらつく、この感覚は謎だ。


『……なんだ、なんなんだ…』



















「___何の御用でしょう、鬼狩り殿」

『!!』

声のした方向へと振り返る。
下を見ても誰もいない、なら、上だ。視線を上げると見えたのは木の上に立っている二人の人物が見えた。顔は面のせいで見えない。口元だけ出ている背の高い鬼と、顔全体が隠れている鬼
見覚えがあると思ったのは鬼の胸元に着いている一つの鈴だった。
それを見た瞬間、血が熱くなった。



【_____あなた(・・・)!!】


『っ…………!!?』


___あなた(・・・)

頭の中で響き続ける一人の声
私の実の母の声だ、そして…



あなた(・・・


母がそう言う関係の相手、
つまり……私の実の父親だ。

目を見開いた。
初めて見る父の姿、鬼だろうと身長は殆ど変わらない。顔を見なくても分かった。
あぁ、この鬼は本当に私の父親なんだ。
気配が母と同じだ、殆ど記憶にないのに鮮明に思い出せる、今なら…
微笑む母、それを見ながら刀の手入れをする父、懐かしい光景。ずっとずっと昔の、もう二度と戻れないであろう光景。


『っ……はぁ、はあ、はぁ…!』


手が震える。
鬼だとも分かっている
分かっているのに…



「……鬼兎(おと)


「……御意、神狐羅(かぐら)様の命令により…目の前の敵を排除します」


『!』

第三十三章【歪んだ愛】→←第三十二章【甘露寺と鈴】



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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
- 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時

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