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『……よ、と』
体を回転させ、着地する。
だいぶ遠くまで吹き飛ばされてしまったらしい、景色に見覚えがない。
その時悲鳴が聞こえる、急いでその方向へと足を進める。
「っ……来ないで!!」
『!……光の呼吸・弐の型・昇り光転』
ズバッ
気持ち悪い魚(?)の形をした鬼が人を襲おうとしていたらしい、私が振り向くと肩を震わせた女性が涙を零していた。いや、お面から零れているので逆にどんな構造なのか気になってしまう。
次の瞬間、腹に衝撃
「ありがとうぅぅ!!!ほんとに!!本当にっ!!!ありがとぉぉ…!怖かったぁあ!!!」
『だ、……だ、いじょうぶ、ですよ…』
「お嬢ちゃんなのに強いのね…本当にありがとう!!!」
『あ、はい…』
勢いよくそう言うと女性は何かに気がついたのか反対側へと走り出す。が、足を怪我しているため崩れ落ちて転ぶ…ところを滑り込み姫様抱っこをする。
『…あ、の………何処か、行きたいんですか』
「だ、旦那の元へ!あの人とこの先の店で待ち合わせしていたの!…だ、だから、不安で…」
『……分かりました、行きましょう』
「ありがとうございます、何から何まで…!」
『いえ……』
姫様抱っこなのに気がついたのか顔を真っ赤にさせて(多分)照れる女性を抱えながら先程言っていた店を探す。
本当に近くで店はすぐに見つかった。
が、その中はもぬけの殻で誰も居らず、更には店の中は割れたお椀の破片などでぐちゃぐちゃだった。
『……旦那さんは、逃げたと思います』
「…その、逃げるとしたらどこに…?」
『……少し静かに』
「え、えぇ」
『…………!……居た、東の方向の、150…十二か五で行動してます、行きましょう』
「お、お願いします!」
声のする方向へと走り出す、私は身長が高くないので女性の着物の袖が引きずってしまいそうで怖い。しのぶと同じくらいかそれ以下だ。よって、鬼殺隊で小ささを競うなら勝てる自信がある。そんな自信微塵も欲しくはないが。
そんなことを考えていたら旦那さんの居そうな集団へと追いついた。が、その集団は鬼に襲われていた。
『…奥さん、失礼』
「え、ひゃあ!!?」
奥さんを片腕でなんとか抱え、刀を取り出そうとした時、桃色が見えた。
振ろうとしていた刀を鞘にしまう、何故なら、彼女が来たからだ。
「恋の呼吸・壱の型・初恋のわななき!」
鬼が倒れていく。
桃と黄緑の髪がよく映える。
『…』
「Aちゃん!」
そう、甘露寺蜜璃である。
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時