第二十九章【修行と血筋】 ページ19
『…炭治郎、筋が悪い』
「は、はい!」
詳しく現在の状況を説明してもらい、なんやかんやあって炭治郎に稽古を付けることになった。一瞬意味が分からなかったが肩を掴まれて、さらに子犬のような目で見られたら無理ですなんて口が裂けても言いたくなかった。
目の前には人形、炭治郎は必死に打ち込んでいるが弱すぎた。というか、この人形が強いんだ。
『…炭治郎は応用が出来る人だし、私が居なくてもいいと思う』
「い、いえ!!今の俺っ、じゃ!…だ、めだ!!!」
『……舌噛むから、話さなくていい』
「はいっ!」
『……』
「炭治郎さん!!全然駄目ですよ!!!ほらもっと動いて!!右から来たのに反応できてませんよ!!!早く気づかなきゃ!倒されてないで、さぁ!!立って!!」
『…(いやぁ、流石に無理があるよな、あの状況で避けることが出来るの柱くらいじゃない?漫画でもだけど小鉄くんの指導はまさに鬼だなぁ…)』
「ほら!!また来ますよ!!!」
ドンッ
「っ……ぐっ!!!?」
『…気絶した』
「え!?ちょ、炭治郎さん!!そんなんでやられちゃ駄目ですよ!!!」
小鉄くんは炭治郎の肩を掴み前後に揺らす、倒れている様子を見るに直ぐに起きてくれるのは思うが流石に揺らすのは不味い。小鉄の肩を掴み、無言で首を横に振った。
「……………………はっ!!?」
『…おはよう……気分は?』
「っ…い、…っ…たくない!!!俺は長男だっ!!!」
『……長男』
「そうだ!長男だから我慢出来る!!次男なら出来ないんだ!!!!」
『……関係あるの?それ』
「よし…Aさん!お願いします!!!」
『…いや、私はもう稽古は付けない』
「え……な、なんで…」
『…………やる事がある、自分で気づくまでやるといい……人に言われてやったら良くない』
「………はい」
『……でも、さっきより成長してる…筋はマシになった、頑張ってね』
「!……はいっ!!」
いい笑顔で私に手を振る炭治郎と小鉄くん、手を振り返し山道を下っていく。やることが決まったならば、あとは簡単だ。
鎹鴉ならぬ鎹ふくろうの福を口笛で呼び、文を足に巻き付けた。御館様にあるお願いを届けてもらうためだ。
『……福、頼むね』
「…」
頭を私に擦り付けた後、福は夕焼けの空に羽を広げた。流石にこれ以上外にいても無駄なので宿へと足を進める。
屋敷で晩御飯を貰い、食べるが一人のご飯は味気なく、寂しく思えた。
久しぶりに爺様に会いたいと思った。
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時