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沈黙が流れる
先に口を開いたのは有一郎だった。
「……気を使わせて悪かった」
『……まだ、戻ってないんだね』
「…俺の事も忘れてる、でも……きっと思い出さない方がいいと思う」
『……それは「ない、なんて言わないでくれ」
「……俺はあの日、無一郎に言ったんだ」
お前みたいな弟は恥だ
『……』
「……最低な奴には、合わない方がいい」
そう言って拳を強く握る有一郎、白くなっていくほど力が込められた拳に手を添える。
驚き、目を見開いている彼の手を優しく包み込む。
目が合った。
『…………記憶を取り戻したら、謝ろう』
「…駄目だ」
『……謝ることは、いつか出来なくなる。会えなくなるかもしれない、相手が死ぬかもしれない』
「無一郎は『死なない…なんて言うつもり?』………」
『次はない、…かもしれない』
「……ごめんなさい、師範…俺は、無一郎に合わせる顔がない……………少し、…考えさせてくれ」
『……うん』
「…………帰ります、休暇は一日だけなので」
『…』
一礼して森の山道を降りていく無一郎の背中を私は黙って見つめていた。これ以上は何も言わない、言っても彼自身が動かないと意味が無い。
「…師範、無一郎をよろしくお願いします」
『……分かった』
彼の背中からは
_十分後_
『……炭治郎は、何をしてるの?』
「ぇ…誰ですか!?炭治郎さんの知り合いですか?」
『あー…小鉄さん…で合ってますよね』
「な、何で僕の名前知ってるんですか!!?何者ですか!!!?」
『……怪しいものではないですよ』
「怪しい人は全員そう言うんです!!!」
『・・・』
「あ!Aさ……うわっ!?」
『…!』
走り出し、短刀を鞘からは出さずに炭治郎に振りかぶった腕を叩き落とした。戦闘態勢に入ると目の前の人物の動きが止まる。
振り返り、炭治郎を見る。
『無事?怪我してない?何で戦ってるの?危ないよ』
「…………………すごい!!!」
『え』
「どうやったんだ!!?俺には動きが見えなかった!それに空間が一瞬止まったみたいに見えた、Aさんが早すぎたのか!?どちらにせよ流石Aさんだ!!!」
『…』
「炭治郎さん、知り合いですか?」
「うん、柱のAさんだ。知り合いだよ」
「柱……昆布頭と同じくらい強いんですか…」
「いや、でもAさんは優しいから大丈夫だよ。壊す人じゃない」
『…』
話が勝手に進んでいく…
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推しを愛で隊(夜桜)(プロフ) - シキさん» すみません久しぶりに戻ってきたらコメントがあったので返信します。色が見えるのは最初からですね。一応説明はされてないので私のなかでだけですが、無一郎の記憶は消えてしまったデータの中にあり修復中です。話的には途中の任務で有一郎が死にかけてショックでですね (2020年12月7日 23時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - すみません。私が見逃しただけかもしれないんですが、この作品で無一郎くんはいつ記憶を無くしていたのでしょうか?あと、主人公がたまに見ている色はいつからでしょう。わかる方いましたら、よろしくお願いします。。 (2020年11月11日 2時) (レス) id: 2112fc6e24 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - 鬼滅はパクリ作品 (2020年10月3日 23時) (レス) id: 833e98b9a2 (このIDを非表示/違反報告)
猫柱にゃん子 - 過去最高1位ですってすごいっすね!作者さん! (2020年7月24日 11時) (レス) id: 55a94d494e (このIDを非表示/違反報告)
松たけこ(夜桜)(プロフ) - さつまいもさん» ありがとうございます!!! (2020年1月1日 1時) (レス) id: e44c1f3d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜桜 x他1人 | 作成日時:2019年9月24日 17時