【鬼滅の刃】原作を壊せ、助けるために。《壱》

＊ ページ43

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『肆(し)の型、光陰龍水』

龍のように流れる刀が瞬く間に糸を切っていく。影の炎を吐く龍が周りにいた小さな蜘蛛を食っていく、私は襲われそうになっていた隊士の前に立ち刀を構える。

『…』

「……邪魔しないでよ、ソイツ、殺すんだから」

『…許可できない』

「し、四ノ宮さ……俺」

『…コイツは十二鬼月だ、逃げた方が自分の為』

「っ…お、俺じゃ勝てないって言うのか！！？」

『…そうだ、無駄死にするだけだ』


「…ふざけるなよ！！柱だからって偉そうに！！！俺より餓鬼の癖に！！」

『……』

助けない方がお前の為だったかな？と残酷なことが頭の中で浮かぶが、助けた命が散るのは見たくないので何も言わなかった。すると、その隊士は俺もやれるんだ！！と阿呆な発言をして累に斬りかかった。

「…五月蝿い」

ｽﾞﾊﾞｯ

咄嗟にその隊士を庇った。累は目を丸くしていたがそんなことは構わず私は隊士を平手打ちした。呆然をしている隊士に腹がたった。

『っ…お前は自分の力を分かってない！！今の恐怖が分かったならもう行けっ！！！一人でも多くの死人を出すな！！！』

「…ぁ、う……」

よろよろと立ち上がり逃げて行った隊士、私は累に身体を向ける。
累は震えていて、怒りに触れたのかもしれない。不味いな、と思いながら刀をもう一度構える。しかし、言われた言葉は予想外のものだった。

「…か、家族か…アレは」

『？……いや、他人だ』

「…庇ったのか、他人を、死んでも良かった奴を」

『…同じ仲間を、皆殺しにはしない』

「！！……欲しい、欲しい、欲しい…本物の絆だ…！」

急に謎発言をした累、思わず首を傾げる。
その瞬間、糸何重にも重なった糸が体の周りに飛んでくる。

『玖の型、光虎乱舞…！』

糸は最初から無かったように消えた。
私は累を切るべきが切らないべきか悩み、切らないことを選択した。累は驚いたまま固まっていて私のことを見つめている。

「…変な人間」

『…。』

「…………やっぱり…欲しい、僕の、…」

そう言った累は糸を引いて何人かの隊士や人を自分の元へ引き付け、糸で切ろうと腕を上げた。その人たちに体当たりをして逃がした私はまんまと累の糸に絡まった。

『…あーあ、』

「捕まえた、後で鬼にするから…じっとしててね」

『(…動けないけどね、そもそも)』


逆さまに吊るされて頭に若干の痛みが走る。捕まっているとどの辺で解放されるんだろうか…。


『…刀で切るか、って…あれ、刀…どこ』

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