* ページ4
・
カタカタと言うキーボードの独特のタイプ音が社内で鳴る。もう慣れてしまった活字に目を走らせる。
『____やっと午前中の終わったぁ…』
背筋を伸ばしため息をつく、時計を見るとまだ昼ではないらしい。
「あ、先輩お疲れ様です」
『折原くん、お疲れ様です。午前中のもう終わりましたか?』
「あぁ…まだもうちょい残ってますね」
『なら半分こっちにください』
眉を下げて微笑んだ折原くんがいきなり固まる、首を傾げると呆れられたようにジト目で見られる。
「それは、ダメです。昨日もそういって手伝ってもらってしまったの覚えてますか?休んでてください」
『……そ、そんなにですか』
「…俺がその顔弱いこと、知ってますよね………少しだけ手伝ってもらってもいいですか?」
『はい!』
渋々、折原くんは書類を渡してくれた。
___昼
12時過ぎに書類が終わり、折原くんとご飯に来ていた。折原くんといるのは楽しいし、もっと話していたいくらいだが、顔が整っているため周りからの視線が痛い。
『(まぁ、いいけど)』
「おりはらくーん!そんな先輩より私たちとたべなぁい?」
いつもの様に折原くんの取り巻きの子達が近寄って来る。やっぱり折原くんもあの子達と食べた方が嬉しいのかもしれない。
「ごめん、俺先輩とご飯食べたいんだ」
優しく言った折原くんを甘い声で誘惑するように話す。
「うぅ、折原くんのケチ〜……いいじゃん!そんな女置いておいてさぁ?」
「……先輩のことは馬鹿にするな」
「っ……ま、またねぇ?」
折原くんの低い声に顔を強ばらせた取り巻きはさっさと逃げるようにいなくなった。
『よかったの?行かなくて』
私がそう聞くと少し呆れ気味に「俺は先輩と食べたいと思ってた誘ったんで大丈夫ですよ」と笑ってくれた。
『そっか、ならよかった…のかな』
「心配してくれたんですか?先輩はやっぱ優しいですね」
『その言葉毎日言われますけど、……私別に優しくないですよ』
「事実ですよ」
『……』
そうなのかと考える。
私は人が大事か自分が大事かって言われたら多分自分を取ってしまうような普通な人間なのに。
その時目の前には湯気が上がる。美味しそうな炊きたてご飯。
『折原くん、食べましょう!』
「あ、そうですね」
「「いただきます!」」
二人で手を合わせ、ご飯を食べ始めた。
__
_____
ご飯を食べ終わり私達は共にデスクへと戻り、見慣れたパソコンの電源へと手をつけた。
406人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜桜(プロフ) - キツネさん» フォォォォおおおおおっぐぅぅぅへぇぇぇぇええええい!!!!? (2019年5月2日 11時) (レス) id: 9b3c16d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
キツネ - ふぉぉぉぉぉぉぉぉ! (2019年5月2日 11時) (レス) id: 55194c6b92 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - 月猫@アオリヒメさん» 夢主のことです、わかりずらいと思いますが……この小説は夢主の名前が固定されています。 (2019年1月28日 0時) (レス) id: 9b3c16d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
月猫@アオリヒメ - 度々でてくる暁って何ですか? (2019年1月27日 23時) (レス) id: ca03128f9d (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - 天狐さん» コメントありがとうございます!分かりました、吃驚マークもう少し減らします、それと個人やり取りについてももう少し考えます、不快にさせてしまったなら申し訳ないです、小説の問題点を改善していきたいのでアドバイスは凄く助かりました!ありがとうございました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: a30888bfe5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夜桜 | 作成日時:2018年8月14日 19時