【wrwrd!】カフェの店員が王子だった件について【男主】 (ページ5)

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第91話武道会と舞踏会ページ5

ずず、と紅茶を啜りながらそう考えていると急にエーミール様が俺の手を掴んで｢お願いします！｣と言ってきた。

｢っはい！？｣

危うく気管に入る所だった紅茶をギリギリで飲み干してエーミール様を見ると必死な顔で｢お願いします！その武道会に出ていただけませんか！！｣と言ってきた。

｢え…俺が！？無理無理無理無理！！！｣

ティーカップを置いて手を左右に振って拒否するとエーミール様がどっから出したのってぐらい大きいパネルを出して来た。

｢ﾋｮｴｯ｣

em｢この国の軍に在籍する兵士の武力をグラフ化したものです！！一般の兵士の中で高い武力を持つ人間は僅か数十人！！それに比べ最も高い武力を持つのは、ゾムさんとひとらんさんそしてノエルさん！！貴方なんですよ！！｣

バン！！とパネルを叩いてそう力説するエーミール様に押されつつも｢いやいや…｣とまだ拒否する俺にエーミール様はさらに追い打ちをかけてきた。

em｢ラ・エイ国の王は、この武道会に参加せねば同盟を切ると言うんです！！！！この国の命運がかかってるんです！！！お願いします！！！！｣

そう迫ってくるエーミール様に俺は完全に圧倒されて拒否する気も失せて、ただ首を縦に振るしか出来なくなった。

月下の死蝶と呼ばれた俺が情けない…と心の中で涙を流しているとエーミール様が笑顔で｢良かった！！ノエルさんならそう言ってくれると思ってもうエントリーしてありますから！｣と言った。

それ、元から拒否権ないやつやん。

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｢うぅ……行きたくない…武道会なんて…舞踏会なら行くけど…｣

あれからすぐに幹部会議が開かれ、ラ・エイ国に行くチームの論議、総統の護衛チームの論議や国の防衛についての論議が行われた。

ラ・エイ国に行く人は武道会参加のチームも含めてグルッペン総統、ゾムさん、ひとらんさん、オスマンさん、ロボロさん、俺。

残りのメンバーは国の防衛や仕事の関係で行けなくてメイドや執事は総統専属の執事と俺のシエルとシゼルだけ。

医療班と一般兵士は万が一を考えて近くで待機、メイドや執事には最低限の武装を命じるそう。

武道会参加メンバーは一週間前にラ・エイ国に入国してその後に総統と再会、という手筈らしい。

で、その会議が終わって今自室なんだけどこれから荷造りしなきゃいけないのね？

すっっっごい面倒くさいの、行きたくないの。

だってラ・エイ国って強い人ばっかなんでしょ？？俺が行っても適うわけないって無理だって。

｢もういっそ眠っていたい……｣

そう呟きながら枕を濡らす日々が続くのであった。