第108話 組手 ページ22
あれから数日経ち、舞踏会が開催される日も近づいてきているという事で我々軍舞踏会参加組は舞踏会に向けて組手をする事にした。
昨日届いた舞踏会のルールが書かれた紙には武器使用アリ(但し刃の無いもの)と書いてあったので組手だけではなくお互いに得意な武器での訓練もする事になった。
そして今、絶賛訓練中である。
｢ひとらんさん動き鈍いですよ、ゾムさんも｣
zm｢クッソ！！！何回やってもノエルに勝てへん！！！｣
ht｢流石だね、もう勝てる気しないよ｣
そして何故か2対1になっている、最初は1体1でってなってたのにゾムさんが我慢出来ないからって入ってくるから2対1に…と出来事を振り返っていると｢そこや！！｣とゾムさんの声が聞こえて気付けば目の前にゾムさんが得意とする武器、ナイフの刃先があった。
状況を瞬時に理解し、向かってくるナイフを体をブリッジのように後ろに倒す事で躱し、ナイフを持つゾムさんの腕を蹴って距離をとる。
｢あっぶな……セーフ｣
zm｢避けんなや！！！｣
｢無理です、その代わりに反撃させていただきます！！｣
そう言って俺が得意とする武器の一つの槍でゾムさんに反撃をする、槍は中距離で攻撃出来るし使いようによっては最強の武器になるのでよく使う。
ゾムさんが居る方へ走って槍を向ける、まぁゾムさんも強いからそれで簡単に倒れる訳じゃない、躱されたり受け止められたりして中々いい攻撃が入らないなと思っていたその時、いい案が思いついたので掴まれている槍に更に力をかけてここだと思った時に離す。
すると力の反動でゾムさんの体制が崩れる、それを狙って隠し持っていたナイフを持ち、倒れていくゾムさんを下へと引っ張り地面へ叩き付ける。
そして両手両足を動かせないように手足で拘束して首にナイフを近付ける、するとゾムさんはふっと笑って｢こーさん｣とだけ言った。
｢また俺の勝ち、ですね｣
zm｢もー、何回やっても勝てへんわ、テンション下がるー｣
ht｢ノエルが敵じゃなくて本当に良かったね、多分皆で掛かっても勝てないかも｣
そう言ってくすくす笑うひとらんさんに｢そんな事ないですよ｣と言って笑うとひとらんさんは｢どうかな｣と言ってまたくすくすと笑った、ゾムさんはもう無理と言ってその場に大の字に寝っ転がった。
舞踏会についてはグルッペンさんからは好きに暴れろ、と言われているので好き勝手してやろうと思ってる。
前の晩酌会の時の出来事で俺もグルッペンさんもイラついてんだ、お前らのプライドベコベコにへし折ってやる。
｢俺を欲しいと言った事、後悔させてやる｣
続く (更新停止中)
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作者名：琴宮 いろは | 作成日時：2020年6月17日 0時
