第104話 やっと ページ18
｢…様……様！！………ノエル様！！！｣
｢ん"……んん"……う"…シエル…？｣
｢ジゼルもいますよ！！｣
頭上で誰かから名前を叫ばれて目を覚ました、寝起きで頭がガンガンする、重たい瞼を開くとそこにはシエルとジゼルが俺の顔を覗き込んでいた。
｢ノエル様、ただいま連絡が入りましてグルッぺん様が本日13時にこの国へ入国されるそうです｣
その知らせを聞いて寝ぼけていた頭はサッと目が覚めて体の重みなぞ忘れてバッと起き上がった、周りを見ればまだグースカ寝ている二人。
二人を起こすのは二人に任せて俺は身支度をする為に部屋を出た、トランクから閉まっておいた軍服を出して着替える前に顔を洗ったり歯を磨いたりと身支度をすませる。
その後軍服に着替えて武器の装着前のチェックを済まして装備する、ジャケットと軍帽を被るのは後にして2人が寝ている部屋へと戻る。
深酒をしていた二人はやはりシエル達のモーニングコールでは起きないようで仕方ない、とすっ、と息を吸った。
｢本日13時より我らグルッペン･フューラー総統がこの国に入国される、それまでに身支度を済ませこの国へ向かい入れる、起床！！｣
そう大声でいえば二人はばっ、と目を覚ましてバタバタと忙しく身支度をし始めた、全くもっと早く起きないかねぇ。
取り敢えず朝ご飯だ、と軍帽は部屋に置いておいてジャケットだけ羽織って食堂へと向かった、今日はこの国の食材の定食らしい。
鮭の塩焼き、卵焼き、小鉢二品に、フルーツ寒天にお味噌汁とご飯、あと緑茶だ。
あー落ち着く、と席に着いて食べ始めるの遅れて二人が定食を持って同じ席に座ってきた。
｢遅い、シエルとジゼルのモーニングコールで起きないと｣
zm｢いやー、昨日酒飲みすぎたな、頭痛いわ｣
ht｢にしても流石我らが総統だよね、日にちピッタリ｣
なんて他愛もない(？)話をしながら定食を平らげていく、途中ひとらんとゾムのおかず争奪戦があったけどそれは無視して食べ続けた。
なんか緊張してきた、総統とこんなに離れた事なんてなかったし俺達が先に行って待ってるなんてやった事もなかったしどういう顔をして会っていいかわかんなくなってきた。
はぁ、と緊張を誤魔化すように息を吐くとそれを見ていた二人が俺の背中を思いっきり引っぱたいてきた。
｢い"っだぁ！！！！｣
zm｢そんな緊張せんでもええんやで、いつも通りの顔でええんよ｣
ht｢そうだよ、確かにこんなに離れたのはノエルには初めてかもしれないけどいつも通りでいいんだよ｣
そう言って笑った二人にそうか、と安心して俺も笑い返した。
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作者名：琴宮 いろは | 作成日時：2020年6月17日 0時
