【wrwrd!】カフェの店員が王子だった件について【男主】 (ページ2)

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第88話最低な人と珍しい人ページ2

sn｢一瞬の気の許しが死に直結するからね、そんな奴は沢山見てきたから｣

そう言って俺の治療を終えたしんぺい神さんはカルテを書き始めた、その姿は医者そのもので少しだけ驚いた。

第一印象だから仕事をしてもゆるーくやるのかと思ってたけどそうでも無いんだな、今までだらしなくて最低な人だと思っててごめんなさい。

そう心の中で謝りながらその人を見ていると｢何見とるん？｣とこつん、とおでこをツンとつつかれた。

sn｢取り敢えず今日は安静にしとき、仕事があっても明日ね｣

そう言ってカルテを机の上においてほい、と俺に飴玉を渡してくれた、ありがとうございますと言ってその飴玉の封を切って口に入れるとふわりとレモンの味が口いっぱいに広がった。

その飴玉を味わっているとしんぺい神さんがニヤリと笑って俺に向かって手を差し出してきた。

は？とその手としんぺい神さんを交互に見ているとしんぺい神さんが｢その飴、高かったんだよねー？お返し、くれない？｣と言ってきた。

前言撤回、クソもクソ、最低クソ野郎だったわ。

感動した俺の気持ち返せ！！と心の中で叫んでいるとしんぺい神さんはニヤニヤと笑ったまま俺を見つめていた。

それを見て俺は何もしないのも癪に障るので何か返して(投げ付けて)から出てってやろうとポケットの中を探った。

とは言っても、任務帰りだから何も無いよなーと思いながら探っていると右のポケットにコツンと指先に何かが当たる感触がした。

何だろう、とそれを握って出してみるとそれは小さなキューブチョコで多分おやつに食べたもののあまりをポケットに入れたままだったんだろう。

まぁこれならいいか、とそれを渡そうとした瞬間、チョコを握っている手を握られた。

sn｢返せないなら、ここで返してもらってもええで？｣

そう言ってトントン、と(紙の上だから分かりずらいけど)唇の上を指で指した。

本日二回目のは？を心の中で漏らしているとしんぺい神さんが更に｢何ならそこのベッドで返してもらってもええで？｣とセクハラじみたことを言ってきた。

なので立ち上がれない程にボッコボコにして握ってたキューブチョコを投げ渡して医務室を出ていった。

全く…散々な目にあったわ、と怒りながら自室に帰る為に廊下を歩いているとふとこの前グルッペンさんが話していた任務について思い出した。

そういえば、何週間か前に何個か仕事になりそうな国の話を聞いていたんだけど、あれはどうなったのかな？

無しになったのかそれとも和平か…と考えながら歩いていると廊下の曲がり角でどん！と強く誰かにぶつかった。