第53話 消えて傷つけて ページ12
｢っお店を焼いたのは、お前か！！｣
襲ってくるクロウのナイフを弾きながらそう叫ぶ。
するとクロウはニヤリ、と笑って｢あ、分かった？さっすがー｣と言った。
それを聞いた瞬間俺の中の何かがはち切れ、怒りがこみあげて来た。
｢っ殺す！！！｣
｢出来るもんならやってみなよ！！｣
クロウに向かって走り出し、ナイフをもう一本手に持つ。
襲ってくるクロウのナイフを弾いて、投げられたナイフを拾ってクロウに向かって投げる。
｢ヒュウ！積極的ぃ！！｣
だがそのナイフも軽々と避けられ、クロウの部下達が俺に向かって一斉にナイフを投げてくる。
ほんと投げるの好きだな、お前ら。
俺はそれを軽々と避けて、部下達を一人一人殺していく。
飛び散る血を浴びながらクロウに向かって走り続けていると急に足がガクンっ、となり地面に座り込む。
｢……へ？｣
力が抜けた足を見るとそこには黒く細い糸が絡みついていた。
そうか、夜だから黒くて見えなかったのか…っ！！
｢くそっ！！｣
足に絡みついた糸を取ろうとするも、細いのと黒いので上手く取れない。
糸を取るのに苦戦していると、お婆ちゃんの声が聞こえた。
｢ノエル！！危ない！！｣
｢え？｣
前を見ると無数のナイフが俺へと向かってきている。
やば、これ、避けられな…っ！！
ギュッ、と目を瞑り身構え、来るであろう痛みに備える。
だが、いつまで経っても痛みは来ない。
不思議に思い、目をゆっくりと開けるとそこには
｢………え？｣
俺の前に立っているお爺ちゃんがいた。
お爺ちゃんは俺を庇ったせいで背中にナイフが刺さっていた、そしてお爺ちゃんは血を吐いて地面へと倒れた。
｢お爺ちゃん！！！｣
何で、と戸惑っていると後ろから｢ノエル！！｣と言われ、振り向くとそこには見覚えのある赤いマフラーが見えた。
そう、俺を追いかけてきたのであろう、トン君だ。
トン君は俺の方へ走って寄ってくると目の前で倒れているお爺ちゃんを見た。
tn｢っ陛下！！｣
｢お爺ちゃんが、俺を庇って…！！｣
どうしよう、とトン君を見るとトン君は俺の肩に手を置いて、笑った。
tn｢陛下は必ず俺が助ける、だからお前は目の前の敵に集中せぇ｣
そう言ってトン君はお爺ちゃんを背中へおんぶした。
そしてお爺ちゃんを担いだトン君を近くにいた兵士が支えて城の方面へと消えていった。
…トン君なら、必ず助けてくれる。
｢…来いよ、クロウ｣
｢お爺ちゃんを傷付けた事、後悔させてやんよ！！｣
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はる - 待って4月25日って私の誕生日…！奇遇 (2020年1月1日 5時) (
レス) id: 133bbdb0b0 (このIDを非表示/違反報告)
ロア - 返信遅れてすみません。あの、本当にありがとうございます。(^ω^) (2019年1月15日 22時) (レス) id: ed6d930ae4 (このIDを非表示/違反報告)
琴宮 いろは(プロフ) - ロアさん» どうも、返信遅れました！そのお話なのですが、更新致しました！ロアさんの想像通りのお話になっていたら嬉しいです！ (2019年1月2日 21時) (レス) id: b9b08916ff (このIDを非表示/違反報告)
ロア - 不人気(シャオロン)と男主くんの初詣の話がいいです！ (2019年1月1日 16時) (レス) id: ed6d930ae4 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 続き、気になります!体調にお気をつけて！ (2019年1月1日 11時) (レス) id: e70fd78330 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴宮 いろは | 作成日時：2018年12月26日 10時
