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拝啓 二話 ページ5

「任務、ですか?」

gr「あぁ、お前にとって初任務になるだろう」

そう言ってマスター、グルッペン・フューラーさまは僕に任務の詳細が書かれた紙を渡した。

紙を見ればそこには任務の詳細、欲しい情報などがびっしりと書かれていた。

gr「今回の任務は同盟国であるエルシア王国に潜入して情報収集してきて欲しい、最近様子が怪しいのでな」

「……分かりました、では出発は」

gr「手配は済んでいる、明日の明朝にエルシアへと侵入してくれ」

その指示に僕は「了解しました」と頭を下げて任務の準備をするべくマスターの家を出た。

と、言っても僕はアンドロイドなので準備すると言っても機械人間だとバレないようにする為にロボロ様にメンテナンスしてもらうだけなのだけど…。

今ロボロ様は新しい武器作成で忙しいと思うし…どうしようか。

うーん、と悩んでいると奥からバタバタと慌しく廊下を走る足音が聞こえてその後に小さな断末魔のようなものが聞こえてきた。

……侵入者?

「…熱感知(サーモグラフィー)機能起動、人感センサー起動、視覚と聴覚感知上昇機能起動…身体機能上昇機能起動…」

腰に付けていた銃を取り出してその場から音のした方へと走るとちょうどロボロ様からインカムが入った。

rbr『っすまん!仕事に集中してたら敵の侵入を許してもうた!!多分東の城の…』

sha『書庫室あたりやな!任せろ!』

インカムを聞きながら現場へと向かっているとそこには数人の人が既に手遅れで、綺麗なミルクティー色だった絨毯は真っ赤に濡れて台無しになっていた。

そしてその液体に濡れた侵入者がこっちを見ていた。

「暗視機能起動、侵入者確認」

「排除します」

その声を合図に侵入者に向かって銃を向け、引き金を引くとその侵入者はやはり素人なのかその銃弾を躱す事もせずに倒れた。

「……ロボロ様、マスター、侵入者を排除致しました」

rbr『え!?さ、流石ユーイやな…』

zm/kn/sha『えぇー!俺の出番も残しといてくれやー!ユーイ!』

そうインカムで戦闘大好き組がわんわんと吠える中、僕は冷静にそれは無理と答えた。

「それは出来かねます、少しでも侵入者を野放しにしておくと国家機密が持ち出される可能性がありましたので」

倒れている侵入者の持ち物を漁りながらそういうと静かにロボロ様はため息をついた。

rbr『…やっぱり"それ(国家機密)"が狙われたんやな』

「えぇ、僕のデータが正しければ高性能のアンドロイドを制作出来た(つくれた)のは我々国が初めてですので」

そう、我々国が初めてだからーーー

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作者名:琴宮 いろは | 作成日時:2019年6月18日 19時

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