第3章 - 9話 ページ41
「目が覚めましたか。」
目を開けると、女の人が声をかけてきた。
ぼうっとした頭のまましばらく静止する。
「…？」
どうしてここにいるんだっけ。
あ、そうだハンター試験を受けて、それで…
「私はハンター協会のボミといいます。ネテロ会長の指示でA様の様子を見ておりました。調子はいかがですか？」
「あ、大丈夫そうです。」
「そうですか。それは良かったです。」
ボミはにこやかにそう言って立ち上がった。
私はふかふかのベットの上で上体を起こし、部屋を見渡す。
窓から見える景色から、ここはシュテファンの中心地だと分かった。
沈みかけの陽がシュテファン自慢のタワーを照らしている。
(随分と長く寝ていた気がする。それこそ５、６日間とか…？)
サイドテーブルの時計を見る。
午後6時を指しているが、今が何日かはわからない。
「お水をどうぞ。」
ボミさんがグラスと水瓶を持ってやってきた。
「ありがとうございます。」
グラスを受け取り一口飲む。
きっと喉が乾いていたんだろう、いつもより水が美味しく感じられた。
「私、どのくらいの間眠っていましたか？」
グラスを両手で持ったまま彼女に尋ねる。
「ここにきてからはだいたい2時間ですよ。
まだ他の受験者は試験の最中です。」
となると、影を捕まえて眠ってからは5時間寝ていたことになる。
オーラ体をあれほどの時間保ち、かつ”掌握”の能力を併用したことが無かったため一週間くらい寝てたとしても不思議でないと考えもしたが、まったくその想像は外れた。
道理で念が使えないわけだ。
回復に少なくともあと４日はかかるだろう。
「なるほど。
すみません、ネテロ会長にお会いすることは可能でしょうか？お礼を申し上げたくて。」
「ええ、もちろんですよ。
実は会長から、もしA様が起きたらお連れするよう申し付けられているんです。」
「そうだったんですね。」
「ですが、寝起きすぐに行く必要はありませんから、しばらくゆっくりなさってください。
着替え一式はこちらでご用意いたしましたが、何か不足があれば遠慮せずに言ってくださいね。」
「ありがとうございます。じゃあ、シャワーを浴びてきます。」
「はい。ごゆっくり。」
私はベットから降り、バスルームに向かった。
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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります…！ (2020年2月16日 15時) (
レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！合格おめでとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零落 | 作成日時：2019年2月14日 23時
