第3章 - 5話 ページ37
「まあ、だからこそこうしてお主に提案しておる。」
「はあ…。
無謀な気しかしませんが。弱点とか、より詳しい情報を教えてくださいませんか。」
「もちろんじゃ。
…カゲは名前の通り、影でしか実体で生きられない。
光の下では分散してしまい、元素と一体化する。かといって光の下が弱点というわけではなく、むしろ狂暴化する。
カゲは光の下では約半径2km範囲で元素構造を操作し、人をひとではないものに、空気を空気でないものにするのだ。実体でないカゲにはワシらは手も足も出ん。
しかし影の中ではその範囲は半径100m程度。実体も保っておる。」
「実体があるのに、範囲、とは？」
「ああ、それはな、その範囲は人間および人工物が入ると排除されてしまうテリトリーのことじゃ。」
人間は、ね。
私は策を思いつく。
「へえ。カゲって死ぬことはあるんですか？」
「それは分からん。そもそも、カゲは元素単位の集合体であるから消えぬのかもしれんの。」
「なるほど。カゲを消せなくても確保できたら討伐ということになりますか？確保なら、私、できるかも知れません。」
「ほう。どういうことじゃ？」
「それは__________」
＊
私はカゲが存在する200mほど手前で立ち止まった。
後ろを振り向く。
「では会長。行ってまいります。”私“をよろしくお願いします。」
「うむ。」
私は地面に横たわり、胸に手を当て、
「“乖離”」
心臓を止めた。
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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります…！ (2020年2月16日 15時) (
レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！合格おめでとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零落 | 作成日時：2019年2月14日 23時
