第2章 - 15話 ページ26
「ホームルーム始めるぞー、席つけー。」
中肉中背の特徴のない担任が教室に入って来て、そう言った。
クラスメイトが各々の席に着く。
私は手元のスマートフォンの電源を落とし、スクールバックの中に仕舞った。
担任が黒板の前で何かを話しているのをぼんやりと眺める。
…そういえば、この世界で能力者っているのかな
私がこの世界で念を使えるということは、念自体はここにも存在するという事だろう。
しかもあのイヤリングを部屋に置いて来たのにもかかわらず、私は今もオーラを纏っているのだ。
イヤリングと念との関係はあるかどうか分からないが、イヤリングを身につける必要がないのは確かだ。
試しに凝をしてみる。
クラスを見渡すと、ごく薄い膜がそれぞれの頭頂部あたりでまとまって宙に流れ出ているのが見えた。
当たり前だが誰一人として纏ができている人はいない。
凝をやめると、ひとりひとりから立ちのぼる靄が消え、いつもの見慣れた教室風景へと戻った。
私は、起床後からインターネットを使って集めた原作知識を思い返す。
念には基礎として四大行があり、いくつかの応用技がある。
四大行は纏、絶、練、発の四つで、応用技は円、周、隠、流、堅、硬、凝の七つ。
四大行と凝は既にできているが、そのほかはまだ試してもいない。
円と周なら一人でもできそうだが、隠や流、堅、硬はイメージもつかない上に実戦が重要となるであろう技術だ。どうにもなりそうにない。
そこでふと、円をやってみようと思いつく。
目を閉じて、想像する。円が私を中心に広がっていく感覚を。
まず、自分の体全体から、1センチ外へ、10センチ、1メートル、机の形を、前後右に座る同級生を感じる。2メートル、3メートル…
「起立！」
委員長の声で我に返り、慌てて立ち上がったが、酷く目眩がする。
「礼！」
私の意識はプツン、と途切れた。
委員長の最後の一言は、Aの耳には届かなかった。
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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります…！ (2020年2月16日 15時) (
レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！合格おめでとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零落 | 作成日時：2019年2月14日 23時
