第2章 - 3話 ページ14
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私はなんとか人混みから抜け、クラピカと噴水の前で合流した。
2人で噴水の縁に腰掛けて一息つき、辺りを見渡す。
この広場は関所から入ってしばらく歩いたところにある。
関所側から見て広場の左右の大通りが商店街、前方が王城へ続く道となっているようだ。
この街の地形は平坦ではなく、緩やかな台地の真ん中に小高い台地が重なった形をしている。
上段には王城があり、この街はそこを中心として放射状に広がっているようだ。
…きっと王城からの眺めは最高だろうなあ
と、そんなことを思うくらい、王城は良いロケーションにあった。
私が街を興味津々に見回していると、クラピカのお腹が鳴った。
思わず彼を見ると、彼は急いで腹を両手で抱え、遠慮がちに私を見つめ、
「お腹すいた…。」
と言った。
恥ずかしげな様子でこちらを伺う彼が微笑ましく、思わず少し笑ってしまう。
「そうだよね、ご飯にしようか。」
クラピカは申し訳なさそうに目を伏せ、口を開いた。
「…でも、お金ないだろ？」
そう。我々は追われるがままに逃げてきたために旅の準備は何もしていなく、無一文なのである。
クラピカが持っていた荷物もあの街で落としてしまった。
しかし、私が着ている外套の内ポケットには、ずっしりと重い小袋が入っている______ラティの“ヘソクリ”だ。
ピコの上で過ごした夜、これからの旅路を考えていたその時に、私はふとラティから受け取ったものを思い出したのだ。
ラティにもらった“ヘソクリ”は使われることも、開けられることもなかった。
彼女からそれを受け取った時からそのままだったのだ。
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零落*・reira(プロフ) - カルタさん» ありがとうございます！そう言っていただけるととても励みになります…！ (2020年2月16日 15時) (
レス) id: 5e63a1d1e7 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっっっちゃ面白いです！合格おめでとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年2月16日 14時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
白餡(プロフ) - パパっと読んでみましたが、描写も結構きっちりとしていて面白かったです。更新頑張ってください (2019年2月16日 23時) (レス) id: 81568ffd32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零落 | 作成日時：2019年2月14日 23時
