第１０９話 ページ12
「ジョー･･･お願い･･･返事をして･･･眼を開けて･･･リョーコが･･･親が･･･帰るんでしょ･･･一緒に･･･学校に･･･リョーコと･･･」
サラは放心状態で未だにボタンを押している
もうジョーが眼を開けることはない
それでもサラは止まることを信じてボタンを押している
俺はサラの元に駆け寄り、ボタンを押す手を掴んだ
「もういい、もういいよ、サラ･･･」
「うぅああああああぁぁぁ･･･」
サラは俺の胸に顔を埋めて泣き崩れた
俺はサラの背を擦ってやることしかできなかった
「泣いているところもなんて可愛いんでしょう、あはは」
ホエミーは笑いながらその様子を見ていた
「惜しかったですね、もう少しで止まったかもしれません、あはは･･･！」
「･･･ひ、ひどいよ･･･初めから･･･助けるつもりなんて･･･なかった･･･くせに･･･」
サラは泣きながら途切れ途切れの声でホエミーに縋りついた
「泣くことはないのですよ？あなたが頑張ったおかげで田綱丈は少しでも長生きできました」
ホエミーは口が裂けるほどに口角を上げて笑った
「あなたがボタンを押した分、ジョーは長く苦しんだのです･･･うふふ･･･あはは･･･！」
ホエミーの残酷な答えにサラは何も答えずぺたりと床に座り込んでしまった
「あら･･･つまらない。壊れてしまいましたか？」
俺はホエミーの胸倉を掴んだ
言いたいことは山ほどあるが、怒りのあまり何から責め立てたらいいのか分からない
「見ず知らずの高校生の友情に随分同情するんですね。早乙女迅」
「黙れ！！人の命を･･･！心を･･･！そんなに弄んで楽しいか！？」
ホエミーはにこりと笑う
「それは貴方も同じでしょう？命を軽んじ、自信の美的感覚で死に様を評価するなんて、ね」
「お前･･･何を知っている？」
「まあ･･･いいでしょう。貴方に構ってる時間はないのです」
ホエミーは俺の手を軽々しく振り払うと不敵に笑った
「メインは佐藤戒、あなたなのですから」
「残念ながら、あなたの好き勝手にはさせません」
ホールから悲鳴が上がる
悲鳴の方へ視線を向けると両手首から血を流しているカイがいた
「死は･･･自らが下します」
「き･･･貴様！なに･･･勝手なことを･･･！」
ホエミーは俺を突き飛ばしてカイの元へ向かう
床には血濡れた包丁が落ちている
「･･･調理室の包丁か！自 殺なんてさせてたまる･･･」
「ウラァァァァァァァァ！！」
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蓮花(プロフ) - 春雨さん» コメントありがとうございます！キャラの性格は割りと迷走してて初期と違う人みたいになってます笑 (2019年6月24日 6時) (
レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
春雨(プロフ) - コメント失礼します!いつも楽しく読ませて頂いてます。ジン君のキャラクター性が好きです…。更新頑張って下さい!! (2019年6月19日 19時) (レス) id: 55d503be78 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - キグみんさん» 大変長らくお待たせいたしました...！こんなに更新怠けるなんて想定の範囲外〜でした... (2019年5月23日 8時) (レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
キグみん(プロフ) - 待ってました…!!(*´ω｀*)もう感謝感激雨アラレ！ジン君がんば！！ (2019年5月22日 16時) (レス) id: 46622e472d (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - キグみんさん» ありがとうございます。気長にお待ちください (2019年5月22日 15時) (レス) id: 45ac89d462 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2018年10月10日 10時
