表裏一体-2- (ページ11)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:6,975 hit

55 ページ11

志賀side

オフィス最寄り駅からオフィスと反対方向に
向かうこと徒歩10分程。
ここにはオシャンティーな喫茶店がある。
WiFi完備で少し賑やかでミルクティが美味しい。
まぁ、端的に言うといるだけでお洒落になれる場所。
でも、今日はいつもより賑やか、と言うより騒がしい。

志賀「あれ、なんかありましたか？」

僕も常連(？)だから顔見知りくらいはいる。
僕を気に入ってくれている年配の女性が
いち早く反応してくれた。

「あぁ、さっきいきなり人が倒れたらしくてね」

志賀「そんなことが…」

食中毒か？

「妹ちゃんと来てたお兄ちゃんかな？
妹ちゃんの方がいきなり"お兄ちゃん…？！"って
叫び出すもんだからさ、びっくりしてたんだけどね
丁度ぴったりにお兄さんの方のお友達が来てさ
"迷惑かけました"って言って連れてってたのよ」

志賀「は、はぁ」

「分かりずらかったかね」

志賀「いえ、よく分かりました」

ただ、謎だなぁって、何処か違和感が拭いきれない。

志賀「ここの店来たことある面でした？」

「来たことはないと思うよ」

志賀「そうですか…」

「不思議に思ってるのかい？大丈夫だよ、
大学生じゃ無いようなお兄さんだったし、
病気をの発作とかじゃないのかい？」

志賀「…ご心配ありがとうございます、分かりました」

常連さんに営業スマイルを見せてその場を去り、
端っこのボックス席に腰掛ける。
店員さんはこの時を待っていたかのように
真っ直ぐこちらに来てくれた。

店員「ミルクティの甘めですよね」

志賀「いつも助かります」

店員「…志賀さんも、引っかかってます？」

声を細めて、店員さんは僕に声をかけてきた。

志賀「と、言いますと、あなたも…」

店員「はい、お金は払われたので、店の方ではなく、本当に、眠るように倒れたので、不思議で」

志賀「…眠るように、ですか」

確かに違和感だ。
病気になら救急車呼ぶべきだし
常連さんの話を聞くにピッタリ同級生が
来るのは、流石に不自然だ。
とすると…嫌な文字が頭を過ぎった

志賀「…誘拐…？」

店員「えっ？！」

思わず声を上げる店員さん。
視線が集まるも、数秒の沈黙の後、開放された。

志賀「…小説の読み過ぎかもしれません」

店員「で、ですよね～。只今お持ちします」

…違う、今日はそのためにここに来たんじゃない。
河村さんに呼ばれたけど…その前に相談したい。

スマホを取り出し、

.

.

.

僕は"SAKURA"に連絡した。