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山本side
水上くん遊び程度に渡したアレを
唐突に仕掛けてくるとはね…。
1枚、いや3枚くらい上手だった。
どーしよ…責任取るって言っても…
第1に俺はなんも悪くないってことになっちゃったし…。
焦りながら航平が出してくれた麦茶を
ゴクゴクと飲みほした。
一気飲みしてしまうほど、俺の心は焦っていた。
渡辺「祥彰？大丈夫？」
山本「あっ、いや、なんでもないよ」
確かにいつもならゆっくり飲んでるからね…
違和感満載だよな。
隣に須貝さんが寝てる(寝かせてる)から
変にホントのこと言えるわけないし。
航平は自分のせいだと思ってて、
でも…本当は俺のせいなわけで。
…なんで航平はあんなにニヤついてるの？
渡辺「何隠してるの？」
山本「…知ってたりする？」
渡辺「質問返しはきついなぁ…答えてよ」
山本「えぇ…その…ね、うん」
渡辺「うん、なんも伝わってないよ」
山本「…色々あったの」
渡辺「隠すのへたっぴだね」
山本「嘘つけないの知ってるでしょ？」
渡辺「知ってる。だからその口から吐いてよ」
そう言って俺の唇を彼の指でなぞられる。
ね？と首を傾げてこちらを見ている彼の目は
もう俺が確信犯だと気付いてた。
山本「分かってるならわざわざ言わせなくても…」
渡辺「じゃあこれなーんだ」
俺の目の前で揺れる小瓶。
…俺が水上くんに渡したあの液体が入った
瓶と同じ形だった。
山本「え」
渡辺「…分かるでしょ」
山本「だって…それは…」
渡辺「さっきの祥彰の麦茶に入れといたよ」
山本「え」
渡辺「同じ反応しないでよ」
やばいじゃんそれ。
だって結構耐性ある須貝さんでああなるんでしょ？
俺こーゆーの全く耐性ない…から…。
え？これ終わった感じ？
渡辺「試し程度でほんの少ししか入れてないけどね」
山本「そっか…」
渡辺「後で須貝さんと伊沢さんに謝ろ？」
山本「一人で謝るの怖いよね」
渡辺「…バレた？まぁそのためにこれ入れたんだけど」
山本「うん…一緒に謝ろ、一緒がいい」
渡辺「良かった、一緒ね」
山本「うん」
返事するのがぎりぎりになってきた。
こんなに暑いんだ。
こんなに苦しいんだ。
2人がこれよりも苦しんだと思うと
罪の意識が膨張する。
…今度渡す時は試飲してからだな。
渡辺「今夜は長い夜になりそうだね」
山本「…航平と一緒なら…いいよ」
渡辺「祥彰…」
______
その頃の須貝side
俺が起きてること知ったら驚くんだろうな。
てかラブラブだなぁおい。
胸の奥に閉まっとこ。
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作者名：紅思匡 | 作成日時：2019年3月30日 8時
