【QK】表裏一体 (ページ11)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:33,139 hit

10 ページ11

河村side

オフィスについて、
とりあえず上着をハンガーにかける。
誰かに話しかけられたが、とりあえず無視。
あのAくんが気になる。
あの子可愛いかも。
でも…俺のこと見た時に明らか怯えてた。
あんな仕事してたなら、怖くないはず。

河村「探るか、隠すか」

拓朗に言いたいけど、危ない。
神がそう言ってる気がした。
…俺が神なんだけどね。

須貝「河村さん何言ってんすか？」

須貝さんが近くにいた事に気づかなかった。
さっきの声は須貝さんだったのか。

河村「あ、ごめん、考え事してた」

須貝「そうなんすか、お疲れ様っす」

語尾が少し小さい。
こいつ、俺になんか隠してるな。

河村「僕に隠し事は向かないよ」

須貝「なんでもお見通しって感じですね」

河村「何？」

須貝「実はですね…」

須貝さんが耳打ちで伝えてくる。
拓朗が俺と上手くいっていないと
ほざいているとか。
信じ難いけど、『いじめて欲しい』と解釈し
とりあえず納得した。

河村「そっか、教えてくれてありがとう」

そう言って感情を殺して微笑んだ。

須貝「あ…怒らない感じっすか？」

河村「今回だけはね」

怒りはふつふつと湧き上がるが、
それは須貝さんに当てるものでは無い。

須貝「呼んできましょうか？」

河村「いや、いいよ。もう下がりな」

押し殺したつもりの感情が少し出てしまう。
怖かったかもしれないが、この人は察しがいいからきっと察しただろう。

須貝「仰せのままに」

素なのか演技なのか分からないが
俺に一礼して去っていった。
須貝さんってホントいい人だな。

後でどうしてあげようか。
虐めてあげるのもいいけど、
焦らすのもいいな。
久しぶりにSの血が騒ぐ。