○○をしないと出られない部屋 その4 【グレイ&男主】 ページ31
「酒ないの?」
「ないな」
出されたお題をクリアしないと出られない部屋に四回も入れられたヴァルはそろそろこの状況に慣れてきた
ましてや、今回はグレイも同室に入れられている
今までの様子から何か知っていることはないか、と尋ねたが何も知らないとしか返ってこなかった
そして今回のお題は【ハグしないと出られません】
「素面じゃ無理だ・・・いや、本当に・・・」
「幼いころはよくやっていたではないか・・・大人になったな」
「うわああああ!言うなあああ!」
幼少期の思い出を掘り返されて穴があったら入りたい気持ちになる
もういっそのこと穴を掘ってそこから出ればいいんじゃないか、と考え始めた
「ストレスに対して効果があるらしい、そのつもりでやればいいだろう」
グレイは両手を広げて待っている
「今この状況がストレスだよ、もー!」
「今更抱きしめられる程度で何をそんなに恥ずかしがっているのだ。それ以上のことをしたことあるだろう、この前同じような部屋に・・・」
「うっさい!ってか何で知ってんだ!」
覚悟を決めてグレイの紫色の衣服の中に飛び込んだ
グレイがいつも持っている甘い香りの煙の匂いが広がる
背中を大きな手で優しく撫でられた
擦るように撫でられるのは昔も今も好きだった
「そうやって撫でるのずるいよ・・・眠くなる・・・」
「疲れているのだろう、ゆっくりおやすみ・・・」
優しい声でそう言われると、夢の中に意識を飛ばした
「あら、神父様。どうしましたの?」
B3に突然現れたグレイにキャシーはいつも座っている椅子から立ち上がった
「キャシー、薄い本とやらは書けたのか?」
「無事脱稿しましたわ!また、提供をお願いするかもしれませんわ」
「そうか、ならばしばらく経費は上げられんな」
こっそりB3に忍び込んでいたヴァルは全てを聞いていた
「やっぱグルじゃねぇか!!」
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作者名:青薔薇 | 作成日時:2016年4月6日 13時