さようなら 激注 【ダニー＆男主＋ザック】 ページ20
ダニー→男主→ザックなイメージです。誰も幸せじゃないしサイコだし死んでます
ダニーは自身のフロアの病室に入る。病室には手足を枷で拘束したヴァルがいる。下のフロアの殺人鬼ではなく自分を見て欲しい、その思いだけに身を任せて彼を洗脳した。今は完全にダニーにだけに従う飼い犬のようだ
「やあヴァル。調子はどうかな？」
「ダニー？元気だよ」
ヴァルはダニーを見ると穏やかに笑った。いつも通りの彼だと安心した矢先、彼の口から出た言葉に耳を疑った
「さっきね、ザックが来たんだ。たくさん話したんだよ。お菓子もくれたんだ」
まただ、とダニーは怒りを覚えた。ザックはダニーがB5に居ない間ヴァルにこっそり会いに来ているらしい。前に来たときは追い返せと命令した。それでも、ヴァルは一向にザックを追い払わないのだ。洗脳してまであの殺人鬼から彼を取り返せないのか。ならば･･･
ダニーは病室から機材のコードを手にするとヴァルに馬乗りになり首にコードを巻き付けた
「ダニー･･･？な、んで･･･？」
「どうして僕の元に来てくれないんだ！僕は君の為に何でもしてあげているのに！君にとっても幸せじゃないのか！？」
拘束された手足で必死に抵抗しているが、食事量も一般的な分量より少なくしていたからか力負けすることはなく力任せに締め上げていく。ヴァルの口からは言葉にならない嗚咽と透明な唾液が口の端から零れていく
「い、やだ･･･やめ、て･･･苦しいよ･･･」
涙を浮かべて緑の瞳が見つめる。抵抗も弱くなり、命の火が消えかけていく
「いや･･･死にたく･･･ない･･･」
あのヴァルが死にたくない、と呟いた。どんなに満身創痍でも主人の命令に逆らわなかったあの彼が、大粒の涙を流して命乞いをしている。これも洗脳の副作用なのだろうか。その時ダニーは思った。今自分が首を絞めて殺そうとしているこの男は一体誰なのかと。以前のヴァルとは別人のようなこの青年は一体誰なのだろうか
「だ、にー。すき･･だいすき･･･ごめん、なさい･･･」
コードが深く首に食い込むような感覚を感じたその時。ヴァルは泣きながら微笑んでいた。それから動かなくなった
「何だよ･･･それ･･･君が一体誰なのかも分からなくなったのに･･･今更･･･」
ダニーは動かなくなったヴァルの拘束を外すと、彼を抱えて地上に向かった。車に眠るように死んだ彼を乗せると海へ走った。
「ヴァル、僕もすぐに行くからね･･･」
二人は海の底へと沈んでいった
〇〇しないと出られない部屋 その１ 【ザック＆男主】→←花を育てよう 注 【ダニー＆男主】
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2016年4月6日 13時
