第３０２話 ページ2
アルジーは装置に近づくと棺の乗った部分を強く引いた
するとスライド式に棺と機械が回転する
「凄いだろ？お前らにはこの機械を使ってミドリを見つけ出してもらう」
ルールはシンプルだった
10個の棺からターゲットが入っている棺を当てるだけ
まるでロシアンルーレットだ
「だが、ぬるいゲームじゃつまらねぇ、スリル満点じゃなきゃなあ…？」
アルジーはくつくつと笑いを零す
彼の言わんとすることは分かる
「ふざけんな…！そんなこと…挑戦者を選ぶ前に言え！」
「事前にルールを説明したらお前以外入らないだろ？"当てられたら死ぬ"なんてさ」
アルジーの言葉に場の空気が凍りついた
「…ギンの命を賭けろってことか」
いち早く状況を飲み込んだソウが呟く
沈黙を破るように棺を叩く音が響いた
「ちょっと！早く出しなさいよ！」
「外にいるニャン！？ジン兄ちゃん！」
音は棺から聞こえるが、声はやや下の方から聞こえてくる
「中は完全防音だが、こうやってモニターで会話できるぜ！」
「ううぅ…ここからじゃ何も見えないニャン…」
心細いのかギンの涙声が聞こえてくる
こんなことになるなら、さっさと棺に入っておくべきだったと後悔する
背後からジンさん、と声が掛けられる
振り返ればソウが俺の肩に手を乗せていた
「外からしっかり状況を観察できるのはボク達だけ、なんだよ」
いつの間にか俺は"自分が死ぬことだけ"を考えていた
自分が死ねれば、他の奴はどうなってもいいのか？
ーーいや、違う
仲間を助けるんだ
そのためなら、自分はどうなってもーー
「…ジン兄ちゃん」
モニターからギンの声が聞こえてくる
「…ボク、怖いけど、頑張るニャン…。ジン兄ちゃんもサラ姉ちゃんも…ふわふわエリマキ、スーツメガネ…みんなが大好きだから…」
時折涙を堪えるように息を詰まらせるギン
「…大丈夫、必ず助けるから」
俺たちのやりとりを見ていたアルジーは咳払いをする
「これは本来チーム戦用だから、ミドリ側もボタンを押す役が必要だ。そこはオレが代理で押させてもらう」
「ズルしねえだろうな…！」
アルジーの申し出にQタロウが食い下がる
アルジーはやれやれ、といった様子で首を振った
「オレのズルは、ミドリのズルだ。連帯責任でいいぜ。お前らこそ、ズルすんなよ。不正者には…死だ」
攻守はこちらのチームが先攻に決まった
「"ロシアンルーレット宴"、スタートだ」
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ハデス - ゆっくり更新してください。応援しています！男主の秘密...ドキドキして読んでいます！ (9月21日 17時) (
レス) @page23 id: 087d3e6d61 (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます。最終章が公開されましたらのんびり更新していきます (8月24日 7時) (レス) id: 6d93495a63 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - キミガシネにハマりこの物語にハマってしまいました、物語がほんとに作り込まれていて今では大好きな物語です、更新楽しみに待っています (8月20日 0時) (レス) @page23 id: 39f071eb34 (このIDを非表示/違反報告)
scythe - こんばんは、一気見しました。良い作品をありがとうございます。更新楽しみにしてます。陣くんが好きで三次創作を描いたのですが、どこかで蓮花さんに送ることなどはできますか？ (8月3日 19時) (レス) id: b5b8c5d4bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2023年5月28日 1時
