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真菰「……行ってきます」
真菰特有の、ふわっとした笑みで、鱗滝さんと私に向かって発せられた言葉。
それは、「絶対戻ってくる」という意味も込めた、「行ってきます」だと私は勝手に思った。
『帰ってきたら一緒に街に行こうね!』
真菰「楽しみにしてるね」
その言葉を最後に、真菰の後ろ姿はだんだん小さくなって行った。
真菰が家を出てすぐに、私は呼吸を考え始めた。
待っててね、真菰。
私も、次の最終選別、受けるからね。
絶対、帰ってくるよね。
帰ってきたら、私の新しい呼吸、ちゃんと見てね。
『星の呼吸 陸ノ型 “星羅雲布“』
陸ノ型。
『星の呼吸 漆ノ型 “星離雨散“』
漆ノ型。
『星の呼吸 捌ノ型 “戴月被星“』
捌ノ型。
『星の呼吸 玖ノ型 “流星光底“』
玖ノ型。
ここまで考えて、編み出した呼吸たち。
だけど、玖ノ型から先が、なかなか思いつかない。
体を使って考えてみても、同じような呼吸法しかできなくなってきた。
わからなくなってしまった。
今までどうしてあんなにポンポンと新しい呼吸を編み出せていたのか。
ふと、そんな時、真菰の事を思い出した。
『真菰…今頃、戦ってるのかな。』
もうすっかり日が落ちてしまった空に、
キランと星が光る。
『………』
確か、お姉ちゃん達が選別に行った時も、あんな星が見えた気がするな。
嫌な予感が、脳裏をよぎった。
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ダリア(プロフ) - 原作寄りで、すごく読みやすくて、すごく面白い!星の呼吸ってかっこいいし可愛さもあって良いですね!これからも楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年12月13日 17時) (レス) id: 512f53fbf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星華 | 作成日時:2019年12月7日 11時