私の居場所。【我妻善逸】 (ページ4)

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「お？なんだァ、美味そうなのがいるじゃねェかァ？」

直感的に、ヤバイと感じた。

ああ、何でこの道を選んでしまったのだろうか…

あまりない緊張感に焦りながらも、私はその場で刀を抜いた。

この刀は、鱗滝さんに貸してもらっている刀。

鬼「お前さん、鬼狩りかいィ？」

『だったら何。』

鬼「ちょうどいいねェ、今は鬼狩りの子供でも食いたいところだったからなァ」

正直言って、私はまだ鬼狩りではない。

最終選別だって、受けてない。

呼吸だって、うまく使えない。

そんなダメダメでヘタレでも、その辺にいる雑魚鬼には、刀持ってれば鬼狩りに見えるんだ。

そんなこと考えながらも、ジリジリと近寄ってくる鬼に、ようやく焦りを感じてきた。

『どうすればいい、どうすればー。』

こんな時、お姉ちゃんならどうしてた？

お父さんなら、なんて言った？

お母さんなら、何考えてた？

その時、ヒュオォォと、風が吹いてきた。

それと同時に、私の髪の毛に刺さっている、さっき買った”あの”簪が揺れる音がした。

…シャラン。

綺麗な響きだった。

とっさに思いついた、私の呼吸ー。

『星の呼吸壱ノ型 ”星河一天”』

気づいたら、先ほどまで目の前でヨダレを垂らして私を見ていた鬼は、

いつのまにか

灰になっていた。