私の居場所。【我妻善逸】 (ページ27)

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～善逸side～

『罪を償って、地獄に落ちる事だね』

正直、さっきまで死のうとしていた子には見えなかった。

……え？待って俺なんかした！？

一般人に聞こえるような大きな音も特になく

ほぼ一瞬のうちに灰になってしまう鬼。

その場に呆然と立っていたら、Aちゃんが急にハッとして走り出した。

善逸「えっ！？ちょ！どこ行くの！？」

『奥にこのお店の人が閉じ込められてるはず！行こ！』

なんか、今日会ったばっかりで

今日初めて話した子だったけど

ちょっとAちゃんのこと分かった気がする。

死ぬほど優しい子って事だよね。

でも、Aちゃんの音さ、何て言うか……、普通の人の領域にいない音というか…、

ちょっと不規則な、変な音だった。

けど、聞いてて嫌な音じゃない。

何て言うか……、上手く言葉には表せないけど。

『ちょっと善逸くん！こっち手伝って！』

善逸「うん、今行くよ」

『この人達で全員だって。でもここら辺に散らかった硝子が…』

店主「いえ！良いんです！あの鬼を斬ってくださっただけで恩に切ります…。店の事はこちらでどうにか致しますので……。」

『いや！良いんです！やらせてください！』

ほら、また優しい。

やっぱり、この子を表す言葉で、“優しい”は必須なんだと思う。

『善逸くん！こっちは私がやっておくから、善逸くんは帰っていいよ。今日はありがとうね。』

善逸「いや、俺もやるよ」

『え？いいよ！硝子割れてて危ないし！』

善逸「危ないから！危ないからやるの！」

『……ふふ、ありがとう』

その後、俺達は朝日も昇ってきて、何よりAちゃんは新しい任務が入ったから、俺達はそのままあの街で別れた。

…その数時間後、炭治郎達と出会う事になる。