私の居場所。【我妻善逸】 (ページ2)

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失って失って

絶望に打ちのめされて

それで、やっと分かる

人間は、弱くて脆いー。

私が鬼殺隊になったのは、お姉ちゃんがいたから。

お姉ちゃんが鬼殺隊になったのは、両親が鬼に襲われて、死んだから。

あの時、血の海の中に沈んだ両親を見て2人で決めたんだ。

「一緒にあのバケモノを倒そう」って。

5歳と12歳の、まだ幼かったあの時の私たち兄弟は、それくらいの覚悟しかなかった。

それに、私たちは親が襲われている間、隠れて見ていることしかできなかった。

だから、苦しみしか残っているあの家に帰るのはとても怖くて、だからと言って行くあてもなくて、だからどうしようもなくて

2人で山を越えて、何日か歩いたっけ。

夜通し歩き続けて、疲れて、とうとう足が動かなくなった時

鱗滝さんに拾われた。

それから毎日頑張って修行をして

沢山の仲間とも出逢った。

義勇、鯖兎、真菰。

お姉ちゃんと義勇と錆兎は最終選別を迎えた。

私はまだ早いって言われて

鱗滝さんと真菰と一緒に留守番してた。

そして、やっと終わった最終選別。

でも帰ってきたのは、お姉ちゃんと義勇だけ。

鯖兎は…？？

ここから、徐々に知っていく、鬼の恐ろしさ。

この世の中の、知られていない一面。

気づいたら、お姉ちゃんは柱になっていた。

天柱(あまばしら)。

お姉ちゃんは、鱗滝さんの元で修行したけど、イマイチ水の呼吸が習得できなくて自身の発生させた天の呼吸の使い手になった。

姉の名前は、月奈(るな)。

どんどん強くなっていく姉と、どんどん置いていかれる妹。

お姉ちゃんと義勇は錆兎の分まで、と言って必死に鬼を斬ることだけ考えて生きていた。

実際、私と真菰は錆兎がどんな鬼に、どんな風にやられたかなんて知らない。

お姉ちゃんにその事を聞いた時、とっても悲しそうに、辛そうに、顔を歪めて笑っていた。

最も、義勇なんて何考えてんのか分かんなかったけどね。

お姉ちゃんが柱になったのは、最終選別を突破してから、1年かからず。

後から義勇も柱になった。

私はというと、その頃、水の呼吸がうまく使えなく、かと言って何の呼吸を編み出せばいいのかなんて分からなくて、打ちのめされていた。

毎日毎日厳しい訓練をして、毎日毎日頭が割れるくらい考えて、寝る間も惜しんで練習していた。

なかなか報われない努力と我慢に精神を削られながらも、

私はある日、街へ出かけていた。