優しすぎるあなたは。 (ページ3)

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店

「仕事しろって。」

「北斗に合いそうな服選んでる。」

「俺のTシャツアルミホイルつったろ。」

「照れんなって。」

「お前のセンスいらねえの。」

『田中くん？松村さん、一応エリアマネージャーだからね？』

「一応じゃねえよ。ちゃんとだよ。」

夜の7時過ぎに、エリアマネージャー兼店長の松村さんが来た。どうやら、店の売り上げについて話があるらしく。

「ここの店舗、俺の担当の中で1番売り上げ悪いんだよね。」

ずばっと。言われた。

「やっぱさ、ノルマとかあるわけじゃないけど、立地悪いとこより低いのはやばい。」

『すみません、お客様のご購入までに至らなくて、』

「Aさん、責めるわけじゃないよ、よくやってくれてるし、でもなんか、いい案ないかな？」

「えー、それはもう、改装しかなくない？」

田中くん、君は能天気か。

「Aさん、ほぼシフト入ってさ、俺らバイトにも指導してくれて良くやってくれてるよ？厄介なお客さんにも対応してるし。この店の悪いとこは、見た目がぼろそうなとこ！」

「…それは、上に掛け合ってみないと無理だけど、」

「もうそれかさ！ジェシーのデザインを看板にしてドーン！って表に出すとか？」

いきなり、ジェシーくんの名前が出てきてびっくりする。

そっか、知ってるか、うちの有名デザイナーだもんね。

「意外といい案出してない？俺。」

『でも、実現が難しそうだね。』

「…考えてみる。そろそろレジ締めだろ？樹はもう帰りな。」

バイトの樹くんは、閉店時間と同時に帰っていった。

「…A。」

レジ締め作業をほぼ終わらせると、松村さんに呼ばれた。馴れ馴れしく呼ばないで。

『なんですか？』

「メシ、いこ。」

すると、ポケットのスマホが揺れた。
松村さんの目がポケットにいったけど、

「アイツより、俺の方が早く誘った。行くぞ。」

カバンに荷物を詰めて。
スマホに来た通知を削除した。

ついていくわたしは、なんなんだろう。