優しすぎるあなたは。 (ページ15)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:56,535 hit

15 ページ15

家ジェシーside

突き飛ばされて、意識がハッとした時、そこにAさんはいなかった。

朝から。なにしてんだろ。

笑顔も泣き顔も全部嘘はなかったはずだ。

慌てて、机に置いていたスマホを取り電話をかける。

出てくれ。頼む。

何度も聞こえるー電波の悪い…ー。

Aさん。どこ。

手当たり次第電話をかける。北斗に電話をかけて数十分後、

“A、うちにいるよ。しばらく預かるわ。”

そうメッセージが届いた。

居場所があることにホッとして。
自分以外に頼る場所があることに嫉妬した。

朝の光の中、君がくることを待つしかできない。

日はすぐに経ち、すでに2週間。
家が仕事場な俺には、彼女がいない生活が苦手だ。

コーヒーは2人分入れてしまうし、お風呂も君が帰ってくる時間に合わせて追い焚きしてるんだよ。

あなたの好きなスイーツも、好きな番組の予約も、

決めた。会いに行こう。

顔がわからないように、Aのいる店に向かった。

「ねえ、A、ご飯食べにいこーよ、」

『田中くんには、もっと可愛い女の子いるでしょ、』

「綺麗めさらっとお姉さんともご飯行きたいもん。」

『うーん、それは誰かわかんないかなー。』

ピンクの髪の毛の男と楽しそうに話すAいた。
あの笑顔、見たのいつだっけ。

『…いつも、ありがとね、』

なに！？Aかわいい！！！とか頭も撫でられてるし。

そこに北斗も現れて、3人で話してる。

いやだ。

君の悲しさも、辛さも、楽しさも、嬉しさもすべて俺が一番に知りたい。

頑張った時、頭を撫でてあげたい。
辛かった時、抱きしめてあげたい。
幸せを感じた時、そばにいてあげたい。

やっと自覚したあなたに惹かれていると言う気持ち。

だからお願い、そんなに遠くに行かないで。

知らない奴の隣に立たないで。